catch-img

介護施設に最適な空調方式はEHPとGHPのどっち? それぞれの特徴と選び方

高齢者の健康と快適な生活環境を支える介護施設にとって、「空調設備の選定」は非常に重要なテーマです。

特に昨今のエネルギー価格高騰やBCP(事業継続計画)への対応が求められる中、電気式ヒートポンプ(EHP)とガス式ヒートポンプ(GHP)のどちらを選ぶべきか、多くの福祉施設様からご相談をいただいています。

本記事では、EHPとGHPそれぞれの特徴や違いを整理しながら、介護施設に適した選び方をご紹介します。

→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「【GHP・EHP徹底比較ガイド】長期的視点での空調機器選びのポイント」

WPダウンロードバナー_GHP・EHP比較


目次[非表示]

  1. 1.EHP(電気式ヒートポンプ)の特徴
  2. 2.GHP(ガス式ヒートポンプ)の特徴
  3. 3.介護施設における空調の要件とは?
  4. 4.EHPとGHP、介護施設にはどちらが適している?
  5. 5.導入前に検討すべきポイント
  6. 6.最適な提案のために、まずはご相談を


1.EHP(電気式ヒートポンプ)の特徴

EHPは、電気でコンプレッサーを動かして冷暖房を行うシステムです。一般的なオフィスビルや住宅でも多く使用されており、以下のような特徴があります。


■ メリット

  • 設備構成がシンプルで、初期導入コストを抑えやすい
  • 再生可能エネルギーとの親和性が高い(太陽光発電との併用など)
  • メンテナンス頻度が少ないため、運用コストも比較的低め

■ デメリット

  • 電力負荷が大きいため、猛暑時には電気契約容量を圧迫する恐れがある
  • 停電時に稼働不可で、BCP対策としては不十分な面がある



2.GHP(ガス式ヒートポンプ)の特徴

一方、GHPは都市ガスやLPガスを燃料としてエンジンを稼働させることで冷暖房を行う方式です。特に中〜大規模な施設や、BCP対応が求められる建物に選ばれる傾向があります。


■ メリット

  • 電力使用量が少なく、電力ピークを抑えられる
  • 非常用発電機で対応しやすく、停電時も稼働可能
  • 寒冷地でも高い暖房性能を発揮

■ デメリット

  • 定期点検(年1〜2回)や部品交換が必要で、メンテナンスコストがやや高め
  • 初期導入コストがEHPより高い場合がある


EHP・GHPの仕組みについてはこちらでもご紹介しています。ぜひご覧下さい。

  GHPとEHPの違い。ヒートポンプ式空調設備の仕組みと第3の選択肢とは 業務用空調機はエネルギー効率の向上や分散を図るために、ヒートポンプ式空調機が導入されているケースがあります。ヒートポンプ式空調機はGHPとEHPがあります。今回は、ヒートポンプ式空調機の仕組みやGHPとEHPの違い、メリット・デメリット、両方のよさを取り入れた第3の選択肢について解説します。 TAKEUCHI株式会社
  GHP(ガスヒートポンプ)とは。冷暖房の仕組みと3つの特徴 学校・介護施設・工場・オフィスなどでは、快適性の向上や利用者の安全管理のために空調設備が導入されています。業務用の空調設備にはさまざまな種類がありますが、代表的な空調方式に“GHP(ガスヒートポンプ)”があります。この記事では、GHPによる冷暖房の仕組みや特徴、導入するメリット・デメリットなどについて解説します。 TAKEUCHI株式会社



3.介護施設における空調の要件とは?

介護施設では、一般のオフィスや店舗と比較して、空調に求められる要件が異なります。


  • 長時間稼働(24時間運転)
  • 入居者の体調を左右する温熱環境の安定性
  • ウイルス対策や換気との連動
  • 災害・停電時の継続稼働性
  • 高齢者にとっての快適性(寒暖差を避ける)


これらの条件を満たすためには、単に初期費用やランニングコストだけでなく、「安定稼働」「非常時対応」「維持管理」など総合的な視点が求められます。

例えば、当社ではGHPマルチパックシステムを導入し、万が一の故障時にも他ユニットでバックアップ運転が可能な体制を構築した事例もございます。

非常時でも安心して運用を継続できる仕組みとして、ご参考に下さい。

  公益財団法人 愛世会|導入事例|30年の信頼と実績 品質で選ばれ続けるTAKEUCHIの空調環境ソリューション 空調リニューアル工事を5月に実施することで業務の影響や負担を軽減。GHPのペアマルチシステムを採用し、故障時にもバックアップ運転を可能にしました。 TAKEUCHI株式会社



4.EHPとGHP、介護施設にはどちらが適している?

結論から申し上げると、災害対策や非常時の稼働性まで考慮すると、GHPがより適しているケースが多いと考えられます。

例えば 、猛暑日の電力逼迫時に空調が止まれば、熱中症のリスクが非常に高くなります。停電に備えたBCP対策として、非常用発電機に対応しやすいGHPは大きなメリットです。

また、GHPと同じく都市ガスやLPGを熱源とする「コ・ジェネレーションシステム」を導入することで排熱を給湯に活用可能で、厨房や浴室の給湯負荷を下げることにも貢献します。これは、入浴介助が多い介護施設では大きな省エネ要素になります。

一方、小規模なデイサービス施設や、再生可能エネルギーを活用している施設などでは、EHPの方がトータルコストを抑えやすい場合もあります。特に地域電力と再エネ契約を結んでいる施設では、EHPの導入が環境負荷低減にもつながります。

高齢者の健康に配慮した空調選びのポイントはこちらの記事も併せてご覧下さい。

  高齢者に適した室温とは。医療・介護施設における空調管理のポイント 医療・介護施設においては、患者や入居者の体調管理に配慮しながら快適で安全に過ごせる環境を保つことが求められます。この記事では、高齢者に室温管理が必要な理由や高齢者の健康に配慮した室温、空調管理のポイントについて解説します。 TAKEUCHI株式会社

→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「【GHP・EHP徹底比較ガイド】長期的視点での空調機器選びのポイント」

WPダウンロードバナー_GHP・EHP比較



5.導入前に検討すべきポイント

空調システムは10年〜15年という長期にわたって使用される設備です。導入に際しては、以下の観点から比較・検討することが重要です。


比較項目

EHP

GHP

初期費用

比較的安い

やや高め

ランニングコスト

電力料金に依存

ガス料金に依存(ピークカット可能)

メンテナンス

少なめ

定期点検が必要

停電時の対応

不可

可(発電機対応)

給湯との連携

×

○(コ・ジェネ併用タイプ)

環境配慮

再エネ活用で可

排熱再利用で可



6.最適な提案のために、まずはご相談を

私たちは、医療・福祉施設への空調設備導入・更新を数多く手がけており、施設の規模・用途・運用体制に合わせた最適なご提案を行っています。

EHPとGHPの選定に迷われている方も、補助金活用やBCP視点を踏まえた比較提案が可能です。

介護の現場を止めないために、そして入居者の安心・安全のために。

空調の更新・導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

→【おすすめ!】記事の最後に読みたい「【GHP・EHP徹底比較ガイド】長期的視点での空調機器選びのポイント」

WPダウンロードバナー_GHP・EHP比較

CONTACT

まずはお気軽にお問合せください

お電話でのお問い合わせはこちら

平日 8:30~17:30

ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください

お役立ち資料は
こちらから


人気記事ランキング

タグ一覧