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高齢者に適した室温とは。医療・介護施設における空調管理のポイント

医療・介護施設においては、患者や入居者の体調管理に配慮しながら快適で安全に過ごせる環境を保つことが求められます。特に高齢者の場合は室温の影響を受けやすいため、健康に配慮した温度を維持する必要があります。

医療福祉施設の管理者のなかには、「高齢者の健康に配慮するにはどれくらいの室温にすればよいのか」「空調管理のポイントを知りたい」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、高齢者に室温管理が必要な理由や高齢者の健康に配慮した室温、空調管理のポイントについて解説します。

なお、病院や介護施設における空調管理についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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目次[非表示]

  1. 1.高齢者に室温管理が重要な理由
    1. 1.1.熱中症になりやすい
    2. 1.2.ヒートショックのおそれがある
  2. 2.高齢者の健康に配慮した室温
    1. 2.1.夏の室温
    2. 2.2.冬の室温
  3. 3.医療・介護施設における空調管理のポイント
    1. 3.1.①施設内の温度差が大きくならないようにする
    2. 3.2.②温度計を活用する
    3. 3.3.③定期的に換気を行う
  4. 4.まとめ


高齢者に室温管理が重要な理由

高温者にとっては、熱中症やヒートショックによるリスクを抑えるために室温管理が重要となります。


熱中症になりやすい

高齢者は熱中症になりやすく、2021年の東京都23区における熱中症死亡者の8割は65歳以上の高齢者となっています。

高齢者が熱中症になりやすい原因としては、以下が挙げられます。


▼高齢者が熱中症になりやすい原因

  • 体内の水分量が不足しやすい
  • 体温調節機能が低下している
  • 気温に対する感覚機能が低下している


高齢者は体内の水分量が少なく、体温調節機能も若い頃と比べて低下していることから熱中症になりやすいといえます。

また、気温に対する感覚機能が低下しているため、気温が高い場合でも暑さを感じにくくなります。これによって、空調での温度調整を怠ってしまい熱中症を引き起こすケースがあります。

出典:厚生労働省『高齢者のための熱中症対策


ヒートショックのおそれがある

ヒートショックとは、温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することで生じる健康被害です。ヒートショックになると失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことがあります。

ヒートショックは高齢者に起きやすいとされているため、室温管理によって急な温度変化を避けることが重要です。



高齢者の健康に配慮した室温

夏場と冬場でそれぞれ健康に配慮した室温に調整することで、高齢者の健康被害のリスクを抑えられます。


夏の室温

夏場においては、空調を活用して室温が28度前後になるよう調整します。

ただし、空調の風に直接当たり続けると身体が過度に冷えてしまうため、空調の風向きに気をつけたり、扇風機と併用したりすることが有効です。

出典:消防庁『熱中症を予防して元気な夏を!


冬の室温

WHOのガイドラインによると、寒さによる健康リスクから居住者を守るための室内温度は18℃以上とされています。

また、就寝時の室温が低い場合、高齢者ほど起床時の血圧が高くなりやすいといわれます。日中の活動時に過ごす部屋だけでなく寝室においても室温管理を行うことで、高血圧による健康リスクを防ぎやすくなります。

出典:国土交通省『健康に暮らすためのあたたか住まいガイド



医療・介護施設における空調管理のポイント

医療・介護施設において空調管理を行う際は、施設内の温度差に気をつけたり、温度計を活用したりすることがポイントです。また、施設の衛生環境を守るための換気も欠かせません。


①施設内の温度差が大きくならないようにする

ヒートショックを防ぐためには、施設内の部屋における温度差が大きくならないように管理する必要があります。

特に入浴の際には、暖かい室内から温度が低い脱衣所・浴室へ移動して、そのあとに暖かい湯に浸かることでヒートショックが生じやすくなります。


▼入浴に伴うヒートショックの要因

入浴に伴うヒートショックの要因

画像引用元:消費者庁『高齢者の事故に関するデータとアドバイス等


入浴時のヒートショックを防ぐには、施設内の脱衣所や浴室にも空調設備を導入して室温を管理することが重要です。

出典:消費者庁『高齢者の事故に関するデータとアドバイス等


②温度計を活用する

医療・介護施設において空調管理を行う際は、温度計の活用が重要です。

高齢者は暑さに対する感覚機能が低下していることから、若者と比較して高温多湿な環境で過ごしてしまいやすいといえます。

高齢者が過ごす部屋に温度計を置いておくと、暑さを感じにくい高齢者であっても客観的に室温を把握できるようになります。また、医療・介護の担当者が室温を調整する際の指標としても有効です。

出典:厚生労働省『高齢者のための熱中症対策


③定期的に換気を行う

医療・介護施設における空調管理では、定期的な換気が必要です。冷房・暖房を効かせるために換気を怠ってしまうと、以下のリスクが生じる可能性もあります。


▼換気を行わない場合のリスク

  • 施設内で感染症が拡大する
  • 施設内で生じたにおいがこもる
  • 湿気や結露によってカビ・ダニが発生する


施設内の換気を効率よく行うには、高い換気能力を持つ空調設備や、熱交換機能を持つ換気設備の導入も有効です。



まとめ

この記事では、高齢者に適した室温について以下の内容を解説しました。


  • 高齢者に室温管理が重要な理由
  • 高齢者の健康に配慮した室温
  • 医療・介護施設における空調管理のポイント


高齢者には熱中症やヒートショックの発生リスクがあるため、室温管理を行ってこれらを防止する必要があります。夏は28℃前後、冬は18℃以上の室温に保つことが有効です。

空調や温度計、換気設備などを活用することで医療・介護施設の空調管理を効率的に行いやすくなります。

TAKEUCHIでは、病院や介護施設における安心で快適な空気環境を創造する『気流ソリューション』を提供しております。最新の分析技術で空気の流れを可視化して、空調設備のトータル改善をご提案します。アフターフォローも充実しているため、導入後の長期的なサポートもお任せください。

詳しくは、こちらの資料をご確認ください。

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