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学校における熱中症対策。児童・生徒の安全を守るためには

熱中症とは、高温多湿な環境下で体温調節機能が正常に機能しなくなって体内に熱がこもった状態です。近年、地球温暖化に伴って国内の平均気温が上昇しており、熱中症による健康被害のリスクも高まっています。

学校の担当者のなかには、「児童・生徒を熱中症のリスクから守るにはどうすればよいのか」「学校で行える熱中症対策を知りたい」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、熱中症対策の重要性や学校で実施する熱中症対策について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.熱中症対策の重要性
  2. 2.学校で実施する熱中症対策
    1. 2.1.①指導計画を作成する
    2. 2.2.②暑さ指数に応じて授業の実施を判断する
    3. 2.3.③水分・塩分補給ができる環境を整備する
    4. 2.4.④児童・生徒の健康状態を管理する
    5. 2.5.⑤空調設備を導入する
  3. 3.まとめ


熱中症対策の重要性

熱中症になると、体内の重要な臓器が高温にさらされることでさまざまな症状を引き起こします。


▼熱中症による症状の例

  • めまい
  • けいれん
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 意識消失 など


また、重症の場合は死亡につながる可能性もあります。

特に、子どもの場合は体温の調節能力が十分に発達していないことで熱中症になりやすいと考えられるため、学校においては児童・生徒の熱中症対策を講じる必要があります。



学校で実施する熱中症対策

学校で実施する熱中症対策としては、児童・生徒への指導を行ったり、健康状態を管理したりするほか、気温上昇に対応した授業環境の整備が求められます。


①指導計画を作成する

熱中症を防止するには、児童・生徒が自分で体調管理を行えるように学校側で指導することが重要です。具体的な指導の内容としては以下が挙げられます。


▼熱中症対策の指導

指導項目
指導内容
服装
  • 日差しを遮るために帽子を着用する
  • 通気性・透湿性の悪い服装を避ける など
運動
  • 運動後にはクールダウンを行う
  • 運動中に体調が悪化した場合には無理をせずに運動を中止して指導者に申し出る など
水分補給・休憩
  • 児童・生徒同士で水分補給や休憩の声掛けを行う
  • 運動の前後には十分な水分補給を行う など


②暑さ指数に応じて授業の実施を判断する

授業や校内イベントは、暑さ指数を基準として実施するかどうかを判断する必要があります。

暑さ指数とは、熱中症の危険度を判断する指標です。運動環境や労働環境の指針として有効とされており、学校においても屋外での体育の授業や休み時間の外遊び、部活動などの実施において目安として用いられます。


▼暑さ指数に応じた熱中症予防の指針

暑さ指数
熱中症予防の指針
31℃以上
運動は原則中止。子どもの場合は特に中止が必要
28~31℃
激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける
25~28℃
熱中症の危険が増すため、積極的に休憩を取る
21~25℃
熱中症の兆候に注意しながら、積極的に塩分・水分を取る

環境省『夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン 2020』を基に作成


出典:環境省『夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン 2020


③水分・塩分補給ができる環境を整備する

熱中症を防ぐには、水分・塩分の補給が重要です。高温環境において、人間のからだは主に汗によって体温の調整を行います。汗をかくには体内に水分・塩分が必要なため、水分・塩分が不足すると体温調節をうまく行えずに熱中症につながりやすくなります。

水分補給はこまめに、喉の渇きを覚える前に行うことがポイントです。また、運動を行って大量の発汗があった際には塩分も欠かせません。児童・生徒が自分から水分・塩分補給しやすい環境を整えたうえで、学校側でも定期的な給水時間を設けることが有効です。


④児童・生徒の健康状態を管理する

学校における熱中症対策としては、児童・生徒一人ひとりの健康状態を管理することが欠かせません。

熱中症の発症にはその時々の体調が影響するため、児童・生徒が自己の体調管理を行えていない場合、熱中症のリスクが高まると考えられます。


▼熱中症につながる可能性のある健康状態

  • 発熱や下痢がある
  • 朝食を抜いている
  • 睡眠が不足している など


発熱や下痢は直接的に脱水状態を引き起こします。また、朝食を抜いていると就寝時に汗をかいて失った水分やミネラルの補給が行えていないことで熱中症につながる可能性があります。さらに、睡眠が不足していると、からだの体温調節機能が低下してしまいます。

学校においては児童・生徒の体調に気を配るとともに、日々の生活習慣について管理・指導することも重要です。


⑤空調設備を導入する

空調設備を学校に導入すると、教室や体育館などが高温になることを防いで熱中症対策を行えます。

文部科学省の資料によると、空調設備を設置することで熱中症による保健室来室者数が減少した事例があります。


▼空調設備による熱中症対策の事例

空調設備による熱中症対策の事例

画像引用元:文部科学省『空調設置による教育環境向上の効果例


また、熱中症の生徒を休ませる場所を確保するためにも空調設備は重要です。

なお、学校の空調設置状況についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

  学校における空調の設置状況と必要性。新設やリニューアルを行う際の課題とは 日本の平均気温は長期的に見て上昇傾向にあり、1990年以降は平均気温との気温偏差が大きく、高温な年が続いています。学校においては、夏場の熱中症を予防するとともに、生徒や教員が快適に過ごせる施設環境を維持するために、空調設備を用いた温度管理が求められます。この記事では、学校における空調の設置状況と必要性、導入課題について解説します。 TAKEUCHI株式会社


出典:文部科学省『空調設置による教育環境向上の効果例



まとめ

この記事では、学校における熱中症対策について以下の内容を解説しました。


  • 熱中症対策の重要性
  • 学校で実施する熱中症対策


熱中症になると、めまいや頭痛などさまざまな症状を引き起こすだけでなく、重要な場合には死亡につながるリスクがあります。特に、子どもは熱中症になりやすいため、学校における児童・生徒の熱中症対策は重要です。

学校で実施する熱中症対策としては、児童・生徒への指導・体調管理や暑さに応じた授業の実施、水分・塩分補給を行える環境の整備などが挙げられます。また、空調設備の導入も熱中症対策として有効です。

TAKEUCHIでは、学校での快適かつ安心な空気環境を創造する『気流シミュレーション』を提供しております。最新の分析技術で空気の流れを可視化して、空調設備のトータル改善をご提案します。

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