倉庫のエアコンは何で選ぶ? 設置するエアコンの種類と選び方
日本における平均気温はさまざまな変動を伴いながら上昇しており、2023年には1898年の統計開始以来もっとも高い値を記録しました。
貨物や物品などを保管する倉庫においては、保管物の品質を維持したり、熱中症による作業者の健康被害を防いだりするためのエアコンがこれまで以上に重要となっています。
倉庫の管理担当者のなかには、「倉庫に設置するエアコンはどのように選べばよいのか」「自社倉庫の広さに対して必要なエアコンの馬力はどの程度なのか」などと気になっている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、倉庫に設置するエアコンについて、種類や倉庫の広さとの関係、選び方を解説します。
目次[非表示]
- 1.倉庫に設置するエアコンの種類
- 2.倉庫の広さと馬力の関係
- 3.倉庫に設置するエアコンの選び方
- 3.1.①環境や用途に応じてエアコンを選択する
- 3.2.②個別運転できる空調方式を選ぶ
- 3.3.③温度調整以外の機能を確認する
- 4.まとめ
倉庫に設置するエアコンの種類
倉庫に設置される主なエアコンの種類としては、以下が挙げられます。
▼倉庫に設置する主なエアコン
種類 |
特徴 |
天井吊型 |
|
床置き型 |
|
スポット型 |
|
倉庫内は天井に高さがあるケースも見られ、天井に埋め込むタイプの業務用エアコンだと床まで風が届かなかったり、メンテナンスが行いづらかったりする可能性もあります。そのため、倉庫においては天井吊型や床置き型、スポット型などが主に用いられます。
なお、業務用エアコンの種類についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
倉庫の広さと馬力の関係
倉庫に設置するエアコンに求められる馬力は、広さによって異なります。
馬力とは、業務用エアコンの能力を表す単位です。馬力が高いほどエアコンの効きがよくなるものの、消費電力も高くなりやすくなります。倉庫の広さに合ったエアコンを導入することが重要です。
倉庫の広さに対応する馬力は、一般的に以下のとおりです。
▼倉庫の広さに対する馬力の一般的な目安
平米数 |
馬力 |
17~26㎡ |
1.5馬力 |
20~29㎡ |
1.8馬力 |
22~32㎡ |
2馬力 |
24~36㎡ |
2.3馬力 |
27~41㎡ |
2.5馬力 |
35~52㎡ |
3馬力 |
49~72㎡ |
4馬力 |
61~90㎡ |
5馬力 |
70~103㎡ |
6馬力 |
倉庫に設置するエアコンの選び方
倉庫にエアコンを設置する際は、施設環境や用途を踏まえたうえで空調方式と必要な機能を選ぶことがポイントです。
①環境や用途に応じてエアコンを選択する
設置するエアコンに求められる特性や機能は、倉庫内の環境や利用目的によって異なります。具体的には、以下のような選び方が考えられます。
▼環境や用途に応じたエアコンの選び方
- 倉庫内の天井クレーンに干渉しないように床置き型を設置する
- 広い倉庫にスポット型を設置して、局所的な温度管理を可能にする
- 品質管理を行うために、細かな温度調節ができるエアコンを選ぶ など
②個別運転できる空調方式を選ぶ
倉庫に設置する場合、1台ずつ稼働する個別タイプのエアコンが向いています。
業務用エアコンには、個別タイプのほかに一括で運転を管理できるマルチタイプがあります。ただし、倉庫では保管物に合わせて温度調整を行う必要があるため、エリアごとに運転を管理できる個別タイプが有効です。
また、一部が故障しても残りのエアコンが稼働していることで、リスクの軽減も期待できます。
③温度調整以外の機能を確認する
温度調整以外にも、倉庫において役に立つエアコンの機能があります。
▼倉庫で役に立つエアコンの機能
- 空気清浄機能
- 自動清掃機能
- 湿度調整機能 など
空気清浄機能があると、倉庫内で発生するホコリへの対策が行えます。自動清掃機能があればフィルターのメンテナンスにかかる時間や労力の削減につながります。
また、倉庫で保管するものによっては、温度だけでなく湿度の調整が必要な場合も
あります。
まとめ
この記事では、倉庫のエアコンについて以下の内容を解説しました。
- 倉庫に設置するエアコンの種類
- 倉庫の広さと馬力の関係
- 倉庫に設置するエアコンの選び方
倉庫においては、天井の高さを理由に天井吊型や床置き型、スポット型などのエアコンが主に用いられます。
倉庫に設置するエアコンを選ぶ際は、倉庫内の環境や利用目的に合った機能や性質を持つエアコンを選ぶ必要があります。また、個別運転できるかどうかや、温度調整以外の機能についても確認しておきます。
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