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空調リニューアルを次年度予算に組み込むには?準備から工事までの進め方

「来年度は空調を更新したいけれど、ほかにも修繕や設備更新が必要……」

施設の設備を管理していると、空調だけでなく、照明や給排水設備、受変電設備、建物の修繕など、さまざまな設備投資を同時に検討する必要があります。

限られた予算のなかで、どの設備を優先して更新するのか、また、空調はいつ・どこまで更新するのか判断するためには、現在の設備の状態だけでなく、故障した場合の施設運営への影響や、これまでにかかった修理費なども整理しておくことが大切です。

また、予算申請の時期になってから検討を始めると、現地調査や見積もり、社内承認などに時間がかかり、希望する時期に工事を実施できない可能性もあります。

この記事では、次年度の空調リニューアルを検討している施設管理者に向けて、更新する設備の決め方から概算費用の把握、予算申請、業者選定、工事まで、計画的に進めるためのポイントを解説します。

なお、現在の空調設備の状態を確認する際は、こちらの資料もご活用ください。

→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「設備管理者が知っておきたい法定点検の基本知識」

目次[非表示]

  1. ・1.次年度予算に向けた空調リニューアルの準備 
  2. ・2.次年度予算を検討する前に確認したい4つのポイント
    1. ・2-1.現在の空調設備の状態を確認する
    2. ・2-2.修理・メンテナンス履歴を確認する
    3. ・2-3.空調停止時の施設運営への影響を確認する
    4. ・2-4.ほかの設備修繕と比較して更新の優先順位を決める
  3. ・3.次年度のリニューアルを進める年間スケジュール例
    1. ・3-1.9〜10月頃|現状確認・業者への相談・概算費用の把握 
    2. ・3-2.11〜12月頃|更新計画と予算案を整理する
    3. ・3-3.1〜3月頃|社内承認・予算確定を進める
    4. ・3-4.3〜4月以降|施工業者・設備を具体的に選定する
    5. ・3-5.5月以降|施設運営に合わせて工事を実施する
  4. ・4.早い段階で空調事業者に相談する3つのメリット
    1. ・4-1.更新の優先順位を判断しやすくなる
    2. ・4-2.予算案を具体化しやすくなる
    3. ・4-3.社内・法人内の承認を得るための材料を整えやすくなる 
  5. ・5.まとめ

1.次年度予算に向けた空調リニューアルの準備 

空調リニューアルを次年度予算に組み込む際は、予算申請の時期になってから検討を始めるのではなく、あらかじめ更新の可能性がある設備を洗い出し、検討に必要な時間を確保しておくことが重要です。

特に、複数の施設や、複数台・複数系統の空調設備を更新する場合は 、すべてを一度に更新するのか、優先度の高い設備から段階的に更新するのかによって、必要な予算や工事計画が変わります。

また、リニューアルに必要な費用は、機器の価格だけでは決まりません。
既存設備の配置や配管、電源、設置場所などを確認したうえで、更新範囲や工事方法を検討する必要があります。
さらに施設の運営を止めずに工事を行う場合は、検討や調整に時間がかかることもあります。

そのため、夏季の運転を終えたあとに点検・メンテナンスを行う施設であれば、その結果を次年度の更新検討につなげるなど、予算策定より前から準備を始めておくと安心です。

予算策定の時期は企業や施設によって異なりますが、例えば翌年5月以降の工事を想定する場合、前年の9〜10月頃から現状確認や更新計画の検討を始めるスケジュールが、一つの目安となります。

ここからは、次年度の予算を検討する際に、空調設備のどのような点を確認し、更新の優先順位をどう判断すればよいのかを見ていきます。

なお、空調更新の基本的な進め方や社内稟議のポイントについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

2.次年度予算を検討する前に確認したい4つのポイント

次年度予算を検討する際は、まず「どの空調設備を更新候補とするのか」を整理します。

使用年数だけで判断するのではなく、現在の状態や過去の修繕状況、故障した場合の施設運営への影響などを確認しましょう。

2-1.現在の空調設備の状態を確認する

最初に、現在使用している空調設備の状況を把握します。

設置時期やメーカー、機種、設置場所などの基本情報に加えて、現在どのような状態で稼働しているかを確認しましょう。

例えば、以前より冷えにくい・暖まりにくい、異音がする、水漏れが発生しているなどの不具合があれば、その内容も整理します。

複数台の設備を管理している場合は、設備台帳などを活用し、

  • 設置場所

  • 設置時期

  • メーカー・機種

  • 現在の稼働状況

  • 不具合の有無

  • 次回の点検時期

といった情報を一覧化すると、更新候補を把握しやすくなります。

リースで空調設備を導入している場合は、設備の状態だけでなく、契約期間や更新時期、メンテナンスの範囲についても契約内容を確認しておきましょう。

2-2.修理・メンテナンス履歴を確認する

次に、過去の修理やメンテナンスの履歴を確認します。

同じ設備で何度も修理が発生している場合や、修理費が以前より増えている場合は、今後も修理を続けるのか、設備を更新するのかを検討する材料になります。

「過去に故障したかどうか」だけではなく、「いつ、どこを、いくらで修理したのか」を確認できるようにしておくと、更新の必要性を社内で説明する際にも役立ちます。

ただし、修理回数が多いからといって、必ず更新しなければならないわけではありません。現在の設備状態や今後の使用予定も踏まえて判断することが重要です。

修理を続けるか、設備を更新するかの詳しい判断基準については、以下の記事をご確認ください。

2-3.空調停止時の施設運営への影響を確認する

設備そのものの状態だけでなく、故障によって空調が停止した場合に、施設運営へどの程度影響が生じるかも確認します。

例えば、病院や介護・福祉施設では、利用者が長時間過ごす場所の空調が停止すると、施設運営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

学校では授業や行事、工場では生産工程、倉庫では保管物など、施設によって空調に求められる役割は異なります。

そのため、すべての空調設備を同じ優先度で考えるのではなく、「止まった場合にどの程度影響がある設備なのか」という視点で整理しましょう。

故障リスクと施設への影響がともに大きい設備は、次年度の更新候補として優先的に検討する必要があります。

2-4.ほかの設備修繕と比較して更新の優先順位を決める

施設管理では、空調設備以外にもさまざまな修繕・更新が必要になります。

そのため、空調設備だけを見て「更新が必要」と判断するのではなく、照明や給排水設備、受変電設備、建物修繕など、そのほかの設備投資予定も確認します。

まずは次年度に必要となる修繕・更新候補を一覧化し、空調設備を含めてどの設備に予算を配分する必要があるのかを整理しましょう。

3.次年度のリニューアルを進める年間スケジュール例

リニューアルでは、設備の状態を確認したあと、予算策定、社内承認、施工業者の選定、工事と段階的に準備を進めます。

予算策定や承認のプロセスは、企業や学校法人、医療法人、社会福祉法人などによって異なります。そのため、以下は翌年度5月頃の工事を想定したスケジュールの一例としてご確認ください。

時期

主な取り組み

9〜10月頃

現状確認・業者への相談・概算費用の把握 

11〜12月頃

更新計画・予算案の整理

1〜3月頃

社内承認・予算確定

3〜4月以降

施工業者・設備の具体的な選定

5月以降

施設運営に合わせて工事を実施

実際にはそれぞれの工程が前後したり、並行して進んだりすることもあります。希望する工事時期から逆算して、余裕のあるスケジュールを組むことが大切です。

3-1.9〜10月頃|現状確認・業者への相談・概算費用の把握 

前章で整理した空調設備の状態や更新の優先順位をもとに、この時期には空調事業者へ相談します。

現地調査を行い、更新する設備や工事範囲を確認することで、概算費用を把握しやすくなります。

次年度予算の申請に向けて、「どの設備を更新するのか」「なぜ更新が必要なのか」「どの程度の費用が必要なのか」を説明できる材料を、この段階で揃えておくことがポイントです。

3-2.11〜12月頃|更新計画と予算案を整理する

更新候補や業者から提示された概算費用をもとに、次年度にどこまで工事を行うのかを具体化します。

複数の設備・エリアで更新が必要な場合は、ほかの修繕・設備投資計画とのバランスも考慮しながら、次年度に実施する範囲を決めていきます。

例えば、複数のエリアで更新が必要でも、予算の都合ですべてを同時に更新できない場合があります。その場合は、故障リスクや施設運営への影響などを踏まえて優先順位をつけ、優先度の高いエリアを次年度に実施し、それ以外を翌年度以降に回すなど、複数年度で計画する方法もあります。

また、空調設備の更新に利用できる補助制度がある場合は、この段階で対象となる制度や公募時期、申請条件などを確認しておきましょう。

補助金は制度によって対象設備や対象経費、申請条件などが異なります。利用を検討する場合も、補助金を前提に更新計画を決めるのではなく、活用できなかった場合も含めて資金計画を整理しておくことが重要です。

→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「空調設備導入に活用できる補助金と申請ステップを紹介」

3-3.1〜3月頃|社内承認・予算確定を進める

更新計画と必要な予算がまとまったら、社内・法人内での承認を進めます。

施設管理者が更新の必要性を把握していても、予算を確保するためには、総務や管理部門、経営層、役員会・理事会などへ説明する必要があります。

その際は、「設備が古いから更新したい」と伝えるだけではなく、

「なぜ次年度に更新する必要があるのか」
「更新を延期した場合にどのようなリスクがあるのか」
「修理を続ける場合と更新する場合でどのような違いがあるのか」
「どの程度の予算が必要になるのか」

などを整理しておくことが重要です。

設備の使用年数や修繕履歴、故障状況、修理費用、更新に必要な費用などを具体的な数字で示せるようにしておくと、更新の必要性を説明しやすくなります。 

具体的な稟議の進め方については、以下の記事をご確認ください。

3-4.3〜4月以降|施工業者・設備を具体的に選定する

予算が確定したら、これまでに行った現地調査や見積もりをもとに、施工業者や導入する設備を選定します。

ここで注意したいのは、施設の利用状況や既存設備の状況を踏まえた提案になっているかを確認することが重要です。

比較する際は、次のような点を確認しましょう。

  • 現地調査の内容や提案の具体性

  • 導入する空調設備の仕様・能力、更新による効果

  • 見積もりに含まれる工事内容・範囲、施工体制

  • 工事中の施設への影響や対応

  • 導入後のメンテナンス・サポート体制

特に、見積書の金額だけで業者を比較するのは注意が必要です。業者によって見積もりに含まれる工事内容や条件が異なるため、金額が安く見えても、後から追加工事が発生する場合があります。

機器費だけでなく、既存設備の撤去・処分費、設置工事費、電源・配管工事など、どこまでが見積もりに含まれているのかを確認し、同じ条件で比較することが大切です。

施工業者を選ぶ際の詳しいポイントについては、以下の記事で解説しています。

3-5.5月以降|施設運営に合わせて工事を実施する

業者や設備が決まったら、施設の運営状況に合わせて工事時期を調整します。

空調工事では一定期間、対象となる設備を停止する必要がある場合があります。そのため、単に業者の空いている日程で決めるのではなく、施設利用者や業務への影響をできるだけ抑えられる時期を選ぶことが重要です。

例えば、学校であれば夏休みなどの長期休暇、工場であれば生産計画や設備停止期間などを踏まえて調整します。病院や介護・福祉施設など、空調を停止しにくい施設では、工事範囲を分けるなどの検討が必要になる場合もあります。

TAKEUCHIでは、設備を更新することだけを目的とせず、施設の利用状況や業務への影響まで考慮しながら、工事の進め方や時期についてご相談いただけます。
「この時期に工事できるのか」「施設を稼働させながら工事できるのか」といった段階から、一緒に計画を検討します。

工事の進め方や、依頼から施工までの流れについては、以下の記事もご覧ください。

4.早い段階で空調事業者に相談する3つのメリット

次年度の空調リニューアルを検討する場合は、早めに相談することで、次のようなメリットがあります。

4-1.更新の優先順位を判断しやすくなる

専門業者に現地調査を依頼すると、設備の使用年数や運転状況だけでなく、室内機・室外機の状態、故障や修繕の履歴、部品の供給状況なども踏まえて、更新の必要性を確認できます。

例えば、複数の空調設備で更新が必要な場合でも、すべてを同じタイミングで更新する必要があるとは限りません。故障リスクが高い設備、修理費が増えている設備、施設運営への影響が大きい設備などを整理することで、どこから更新すべきか判断しやすくなります。

「古いからすべて交換する」のではなく、修理・メンテナンスで対応する設備と、計画的に更新する設備を分けることが、限られた予算を有効に使ううえでも重要です。

4-2.予算案を具体化しやすくなる

空調リニューアルの費用は、機器の価格だけでは決まりません。現地調査を行うことで、既存設備の撤去・処分、搬入、配管・配線、電源工事、天井などの復旧といった、実際に必要となる工事内容を確認できます。

そのうえで概算費用を把握できれば、「全台を一度に更新する」「故障リスクの高い設備を優先する」「複数年度に分けて更新する」など、予算に応じた複数の選択肢を比較できます。

また、更新後のランニングコストや補助制度の利用可能性も含めて検討することで、初期費用だけでは判断できない中長期的な費用も考慮した予算案を作りやすくなります。

4-3.社内・法人内の承認を得るための材料を整えやすくなる 

空調リニューアルでは、施設管理者が必要性を感じていても、それだけですぐに予算が確保できるとは限りません。施設の経営を通した優先順位を踏まえ、経営層や役員会・理事会などの承認を得る必要があります。

特に、「なぜ今、更新する必要があるのか」「来年度に実施する必要があるのか」を説明し、限られた予算のなかで優先してもらうためには、具体的な根拠が求められます。

例えば、これまでに整理してきた情報をもとに、 

  • 設備の使用年数や現在の状態

  • 過去の故障・修繕履歴と修理費用

  • 今後修理を続ける場合のリスク

  • 更新に必要な費用と工事範囲

  • 更新を延期した場合に想定される施設運営への影響

などを明確にしておくことで、更新が必要な理由について根拠をもって示しやすくなります。  

早い段階で空調事業者に相談しておけば、こうした情報を現地調査や見積もりとあわせて整理できます。「更新したい」という要望だけでなく、「なぜこの時期に、どの設備を、いくらかけて更新するのか」を説明できる状態にしておくことが、承認を得て予算を確保するうえで重要です。

5.まとめ

この記事では、空調リニューアルを次年度予算に組み込むための進め方について、以下の内容を解説しました。

  • 次年度予算に向けた空調リニューアルの準備 

  • 次年度予算を検討する前に確認したいポイント

  • 次年度のリニューアルを進める年間スケジュール例

  • 早い段階で空調事業者へ相談するメリット

設備のことだけでなく、予算や社内調整、工事時期の調整まで担う施設管理者の方にとって、空調リニューアルの計画は決して簡単なものではありません。だからこそ、早い段階から専門業者に相談しながら、一つひとつ進めていくことをおすすめします。

TAKEUCHIでは、まだ具体的な計画が決まっていない段階から、空調リニューアルについてご相談いただけます。次年度の更新を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

→【おすすめ!】記事の最後に読みたい「空調課題における改善提案と弊社事例紹介」

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