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ビル用マルチエアコンとは。通常の業務用エアコンとの違いについて

病院・介護施設や工場、オフィスなどにおいては、施設内における空調管理のために業務用エアコンが導入されています。業務用エアコンには種類があり、中大型施設で利用されるものの一つに“ビル用マルチエアコン”があります。

施設管理者のなかには、「ビル用マルチエアコンと通常の業務用エアコンは何が違うのか」「ビル用マルチエアコンの特徴が知りたい」などと気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ビル用マルチエアコンについて、通常の業務用エアコンとの違いや特徴、向いている施設を解説します。


目次[非表示]

  1. 1.ビル用マルチエアコンとは
  2. 2.通常の業務用エアコンとの違い
  3. 3.ビル用マルチエアコンの特徴
    1. 3.1.効率よく運転できる
    2. 3.2.さまざまな室内機が選べる
    3. 3.3.幅広いレイアウトに対応できる
  4. 4.ビル用マルチエアコン向きの施設
  5. 5.まとめ


ビル用マルチエアコンとは

ビル用マルチエアコンとは、1台の室外機に対して、タイプ・容量が異なる複数の室内機をつなげて個別に運転できるシステムです。略して“ビルマル”と呼ばれることもあります。

個別の部屋ごとに好きな温度や風量に調節できることから、ビルに限らず中大規模の建物において活用されています。



通常の業務用エアコンとの違い

ビル用マルチエアコンと通常の業務用エアコンの違いは以下のとおりです。


▼ビル用マルチエアコンと通常の業務用エアコンとの違い


ビル用マルチエアコン
通常の業務用エアコン
室内機の運転方法
個別に運転する
フロア全体で一括に運転する
室内機のタイプ・容量
異なるタイプ・容量の室内機を運転できる
同じタイプ・容量の室内機に限られる
室内機と室外機の電源
分かれている
共通している


また、室内外機の高低差や冷媒配管の総長についても、ビル用マルチエアコンのほうが通常の業務エアコンよりも余裕を持った設置が行いやすいといえます。



ビル用マルチエアコンの特徴

ビル用マルチエアコンの特徴としては運転の効率化や個室ごとの対応が可能な点が挙げられます。


効率よく運転できる

ビル用マルチエアコンでは、一台の室外機に接続されている複数の室内機を個別に操作できることから、施設内における各個室の使用状況に応じた運転が可能です。これにより、省エネ効果が期待できます。

また、室内機が1台でも稼働していれば室外機が暖まった状態になるため、2台目以降の室内機がスムーズに稼働するようになります。室内機ごとに室外機をそれぞれ導入する場合と比較しても、効率のよい運転が可能です。


さまざまな室内機が選べる

ビル用マルチエアコンは1台の室外機でタイプ・容量の異なる室内機を制御でき、建物内の部屋ごとに室内機の種類を選べます。

そのため、各部屋の大きさに室内機の容量を合わせたり、用途・内装などに応じて室内機の形状を選んだりできます。


▼室内機の形状による違い

形状
特徴
天井埋込カセット型
  • 天井部分に穴を空けて埋め込む室内機
  • 天井と一体化するため雰囲気を損なわない
  • 空調のムラが発生しにくい
天井吊型
  • 天井から吊り下げて設置する室内機
  • 長方形の部屋でも風が届きやすい
壁掛型
  • 壁の上部に設置する室内機
  • 狭いスペースにも設置しやすい
床置型
  • 床に置いて設置する室内機
  • 天井が高くても足元まで風が届きやすい
天井埋込ダクト型
  • 天井に吹出口と吸込口を分けて設置する室内機
  • 天井と一体化するため雰囲気を損なわない
  • コの字形やL字型形の部屋でも風を届けやすい


なお、業務用エアコンの種類と選び方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

  業務用エアコンの選び方。3つの基準と施設に応じた選定のポイント 業務用エアコンには、形状や設置方法、空調方式などさまざまなタイプが存在します。快適で過ごしやすい空気環境をつくるには、用途や設置場所に合わせた業務用エアコンを選ぶことが必要です。この記事では、業務用エアコンの選び方と施設に応じた選定のポイントについて解説します。 TAKEUCHI株式会社


幅広いレイアウトに対応できる

ビル用マルチエアコンは、幅広いレイアウトに対して柔軟な対応が可能です。

室内外機の高低差や冷媒配管の総長について、通常の業務用エアコンよりも長さに余裕があるため、建物の構造と間取りに応じて柔軟なレイアウトでの設置を行いやすくなります。



ビル用マルチエアコン向きの施設

ビル用マルチエアコンは、オフィスビルだけでなくさまざまな施設での活用が可能です。ビル用マルチエアコンの設置が向いている施設としては以下が挙げられます。


▼ビル用マルチエアコンが向いている施設の例

  • オフィスビル
  • 病院・介護施設
  • 工場・倉庫
  • ホテル など


ビル用マルチエアコンは、施設内のエリアごとに空調環境を細かに管理できるため、用途の異なるエリアや利用者ごとの個室複数が存在する施設において有効に活用できます。



まとめ

この記事では、ビル用マルチエアコンについて以下の内容を解説しました。


  • ビル用マルチエアコンの概要
  • ビル用マルチエアコンと通常の業務用エアコンの違い
  • ビル用マルチエアコンの特徴
  • ビル用マルチエアコン向きの施設


ビル用マルチエアコンとは、1台の室外機に対して、容量が異なる複数の室内機をつなげて個別に運転できるシステムです。ビル用マルチエアコンを導入することで、建物内の部屋・エリアごとに効率よく空調管理を行えるようになります。

ビル用マルチエアコンは、オフィスビルだけでなく病院・介護施設や工場・倉庫、ホテルなど幅広い施設での活用が可能です。

TAKEUCHIでは、業務用エアコンの導入設計から施工、保守メンテナンスまでトータルサポートしています。三次元シミュレーションによる気流の可視化によって、施設の特徴や使用環境に合わせた空調をプランニングいたします。

詳しくは、こちらの資料をご確認ください。

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