
業務用エアコンの試運転で不具合が起きたら? 原因別の対処方法と業者選びのポイント
業務用エアコンは、学校や病院、介護施設、工場、オフィスなど、施設内の快適な環境づくりに欠かせない設備です。そのため、夏本番を迎える前に試運転を実施することが推奨されています。
春の試運転では「冷えない」「水漏れする」「異音がする」といった不具合が見つかるケースもありますが、原因によっては自社で解決できる場合もあります。
本記事では、業務用エアコンの試運転時によくある不具合の原因と対処方法、修理や更新を依頼する際の専門業者選びのポイントまで解説します。
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目次[非表示]
1.業務用エアコンの試運転で起こりやすい不具合の原因(冷えない・水漏れ・異音など)
夏本番を迎える前の試運転では、思わぬトラブルが発生することがあります。ここでは、シーズン前の試運転で起こりやすい不具合と、その主な原因について解説します。
1-1.電源が入らない・風が出ない
電源が入らない、または風が出ない場合は、ブレーカーが落ちている、リモコンの電池切れや不具合、あるいはコンプレッサーや制御基板の故障などが考えられます。
業務用エアコンのブレーカーは、一般的な配電盤とは別の場所に設置されているケースがあるため、まずは分電盤のブレーカーが落ちていないかを確認します。次に、リモコンの電池切れや接触不良がないか、液晶画面にエラーコード(英数字)が表示されていないかも確認します。
電源をリセットしても動かない場合や、再度エラーコードが表示される場合は、経年劣化によるコンプレッサーや制御基板の故障の可能性があります。
なお、業務用エアコンの試運転を実施する時期や手順については、こちらの記事で解説しています。
1-2.風は出るが冷えない(冷暖房の効きが悪い)
風は出ているのに部屋が冷えない(または暖まらない)場合、フィルターの目詰まり、室外機周辺の障害物による吸排気不良、冷媒ガスの漏えいなどが原因として挙げられます。
体育館や工場、店舗など、人の出入りが多く広い空間の施設では、フィルターの目詰まりによって冷暖房効率が大きく低下することがあります。また、室外機の吹き出し口周辺に段ボールや雑草などの障害物があり、吸排気が妨げられていないかも確認が必要です。
設定温度を下げても冷えない(または暖まらない)場合は、冷媒ガスが漏れている可能性があります。なお、購入から10年以上経過している業務用エアコンの場合は、機器自体の寿命を迎えていることも考えられます。
1-3.水漏れがする
室内機から水漏れが発生している場合は、主に結露水を排出するドレンホースの詰まりや、水を受け止めるドレンパンの異常が考えられます。また、経年劣化による部品の摩耗・破損が原因となっているケースもあります。
なお、エアコン内部を洗浄する際、誤った方法や不適切な洗浄剤を選んでしまうと、内部部品の破損による水漏れや電気部品の故障を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
1-4.異音・異臭がする
病院や介護施設、学校など、人が長時間滞在する施設において、エアコンの異音や異臭は利用者の快適性に影響するため、早めの対処が大切です。
エアコンから普段と違う音(カタカタ、ブォーンなど)がする場合は、フィルターやファンの汚れのほか、ファンモーターなどの送風系統部品の劣化や破損が疑われます。また、酸っぱいにおいやカビ臭がする場合は、エアコン内部に溜まったホコリと結露水によって、カビや雑菌が繁殖していることが主な原因です。異臭が気になる場合は、まずフィルターの清掃を行ってください。
なお、焦げ臭いにおいがする場合は、部品の過熱や配線の異常など、発火につながる可能性があります。速やかに運転を停止し、電源プラグを抜くかブレーカーを切って、専門業者に連絡してください。
なお、業務用エアコンの臭い対策については、こちらの記事で解説しています。
→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「設備管理者が知っておきたい法定点検の基本知識」
2.不具合を発見した際の対処方法と自社でできるチェック
試運転で不具合を発見した場合、すぐに専門業者を呼ぶ前に、まずは自社で確認・対処できることがないかチェックします。フィルターの清掃や室外機周辺の障害物撤去、電源のリセットなどで不具合が改善するケースもあります。
以下のチェックリストを活用し、各項目を確認してみてください。
▼チェックリスト
チェック項目 | 確認内容 |
電源 | ブレーカーが落ちていないか |
リモコン | 電池が切れていないか/エラーコードが表示されていないか |
フィルター | ホコリが詰まっていないか |
室外機 | 周囲に障害物が置かれていないか/錆びや破損がないか |
ドレン | 水漏れが発生していないか |
異音 | ファンから普段と違う音(カタカタ等)がしていないか |
異臭 | カビ臭や焦げ臭いにおいなどの異臭が発生していないか |
配管 | 結露が発生していないか |
冷え | 設定温度は適切か/設定温度に対して、きちんと冷風(または温風)が出ているか |
当てはまる項目の対処を行っても改善しない場合は、リモコンに表示されるエラーコードを控えたうえで、機器への負荷や故障の悪化を避けるために運転を停止し、専門業者に相談してください。
エラーコードは、取扱説明書やメーカーのホームページで確認できます。また、問い合わせの際にこのコードを伝えることで、修理の案内がスムーズになります。
なお、簡易点検の基本や点検時のチェック項目についてはこちらの記事で解説しています。
3.不具合が解決しない場合の対策
自社で対処しても業務用エアコンの不具合が改善しない場合は、空調トラブルが多発する夏本番を迎える前に、速やかに専門業者へ修理や点検を依頼することをおすすめします。
3-1.修理・点検を依頼する専門業者の選び方
専門業者を選ぶ際は、自施設の業種(医療・福祉施設、学校、工場、オフィスなど)における空調設備の施工や保守実績が豊富にあるかどうかが重要です。また、以下のポイントも選定の目安となります。
サポート体制:対応エリアや駆けつけのスピード、施工後の保証、定期メンテナンスの充実度
提案力:自社の設置環境(熱を逃がしやすい配置など)を理解し、適切な機器を選定できるか
専任体制:窓口担当と現場管理者が同じなど、トラブル時の状況把握や連絡がスムーズに進むか
3-2.修理・リニューアル(買い替え)の判断基準
業務用エアコンの法定耐用年数は13〜15年とされていますが、これはあくまで税務上の減価償却期間です。建物付属設備として、出力が22kW以下は13年、22kW以上は15年と定められています。
実際の機器の寿命や、メーカーの修理用部品の保有期間(製造打ち切り後)は約10年が目安となります。そのため、導入から10年近く経過している場合は、修理を繰り返すよりも最新の省エネ機器へリニューアルするほうが、結果的にランニングコストを削減でき、長期的なメリットにつながるケースがあります。
4.まとめ
この記事では、業務用エアコンの試運転について以下の内容を解説しました。
業務用エアコンの試運転で起こりやすい不具合の原因
不具合を発見した際の対処方法と自社でできるチェック
不具合が解決しない場合の対策
学校や病院、介護施設、工場、オフィスなどの施設では、夏本番を前にした試運転でエアコンの不具合が見つかるケースがあります。
もし不具合を発見した場合は、まずは原因を把握し、フィルター清掃や室外機周りの確認など、自社でできる対処方法を試すことが大切です。それでも解決しない場合は、本格的な冷房シーズンに入る前に、実績豊富なプロの専門業者へご相談ください。
TAKEUCHIでは、空調設備の点検・修理はもちろん、気流シミュレーションによる空調効果の事前検証や、省エネ性能の高い機器への更新提案まで、施設環境に合わせたトータルな空調改善をサポートしています。お気軽にご相談ください。




