
業務用エアコンのクリーニングで快適な新年を迎えよう
年の瀬が近づくと、オフィスや施設では「大掃除」の準備が始まります。普段の清掃では手が届きにくい場所もこの時期にしっかりとお掃除して、気持ちよく新年を迎えたいものですが、見落とされがちなのが「業務用エアコン」です。
長時間稼働する業務用エアコンは、目に見えない内部にほこりやカビが蓄積します。これらは室内環境の悪化だけでなく、冷暖房効率の低下や機器故障の原因にもなります。ここでは、年末の大掃除に合わせて実施する業務用エアコンクリーニングの重要性と、プロに依頼するメリットを具体例とともにご紹介します。
→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「設備管理者が知っておきたい法定点検の基本知識」
目次[非表示]
1.業務用エアコンクリーニングの重要性とリスク
学校や介護福祉施設、病院など、多くの人が利用する施設では、業務用エアコンは1日8時間以上、年間で2,000時間以上稼働することもあります。その間に、空気中のほこり、花粉、煙、微細な油分が内部に蓄積され、次のような影響が出ます。
- 冷暖房効率の低下汚れが熱交換器に付着すると、設定温度まで部屋を冷やす・温める時間が長くなり、電気代が10〜15%増加することもあります。
- 室内の空気品質悪化
吹き出し口からカビやほこりが拡散されると、アレルギーや喘息のリスクが高まります。特に冬季は暖房による乾燥で、微細なホコリが舞いやすくなります。 - 故障リスクの増加
ファンや熱交換器に汚れが付着すると機器に負荷がかかり、年間の修理費用が数万円単位で増えることがあります。
年末大掃除では、机や床の清掃だけでなく、こうした「見えない場所」のケアが重要です。業務用エアコンは定期的にクリーニングすることで、快適で健康的な環境を保つことができます。
2.業務用エアコンクリーニングのメリット
家庭用エアコンに比べ、業務用エアコンは風量が大きく内部構造も複雑です。自社で分解して掃除することは、故障リスクや効率低下の原因になりかねません。専門業者に依頼することで、次のような具体的メリットがあります。
2-1.冷暖房効率の向上と省エネ
内部汚れを取り除くことで、冷暖房の立ち上がりがスムーズになり、電力消費を抑えられます。例えば、50人規模のオフィスでクリーニングを行うと、年間で約3〜5万円の電気代削減※が見込めます。
※参照:ダイキン工業株式会社
2-2.健康的な室内環境を守る
エアコン内部に溜まったカビやほこりは、吹き出し口から空気と共に室内に拡散されます。プロによる定期的なクリーニングで、アレルギーや喘息などのリスクを最大で50%以上低減する事例もあります。
2-3.機器寿命の延長
汚れや詰まりによる負荷を減らすことで、故障リスクを低減。定期クリーニングで10年超えの稼働も安心です。特に冬期や新年度に向けての安定運用に役立ちます。
2-4. プロに頼む安心感
自社では届かない内部や複雑な構造も、専門知識と技術で徹底的に清掃可能。作業中の破損リスクも最小限に抑えられます。さらに、洗浄後の点検や調整も行うため、次に稼働させる際も安心です。
専門業者によるクリーニングなら、構造が複雑な業務用機器でも安心して任せられ、作業後の点検・調整まで一貫対応が可能です。法定点検と定期クリーニングを組み合わせることで、安全性・快適性・省エネ性のすべてを高水準で維持することができます。法定点検においては、こちらの記事でもご紹介してますので、ぜひご覧ください。
3.クリーニングのタイミングと頻度
業務用エアコンのクリーニングは、使用状況や環境に応じてタイミングを選ぶことが大切です。
- 学校・福祉介護施設・病院等:年1回〜2回(エアコンを使わない時期がおすすめ)
- オフィス・店舗:年1回〜2回
- 飲食店・厨房付近:年2回〜3回
業務用エアコンの掃除のタイミングは、寒い季節に向けて暖房を使用する前が理想的です。
夏場は冷房運転によりフィルターや内部にホコリ、花粉、カビ、油分などが蓄積するため、このまま放置すると、暖房使用時に汚れた空気が室内に循環してしまい、衛生面や快適性に影響します。できれば、エアコンの稼働がない時期を選んで行うことをおすすめします。
4.プロのクリーニングで行う作業内容
専門業者によるクリーニングでは、家庭用掃除では届かない内部まで徹底的に清掃します。
- フィルター清掃:取り外して水洗いや専用洗浄で、花粉や微細なホコリまで除去
- 熱交換器・ファン清掃:高圧洗浄で、カビや油汚れを徹底的に除去
- ドレンパン・排水口清掃:異臭や水漏れの原因を防止
- 外装の拭き掃除:清潔感を保ち、来訪者にも好印象
内部までしっかり清掃することで、カビや汚れを防ぎ、空調の効きや寿命もアップします。定期的にプロに依頼して、快適な空間をリセットしましょう。
5.管理者自身でできる簡単なメンテナンス
プロのクリーニングに加えて、日常的な手入れも重要です。
- フィルター掃除:2週間〜1か月に一度
- 吹き出し口の拭き掃除:乾いた布や柔らかいブラシでほこりを除去
- 周辺の整理:空気の流れを妨げない配置にする
日常のフィルター掃除や吹き出し口の清掃を習慣化することで、プロのクリーニング効果を長持ちさせるだけでなく、設備の異常や劣化を早期に発見できます。
またこの簡単なチェックを簡易点検として定期的に行うことで、法定点検や専門業者による詳細チェックの際にもスムーズに対応でき、空調設備を安心・安全に保つことができます。こちらの資料に、簡易点検も含めた法定点検の詳細も掲載しておりますので、ぜひご覧下さい。
→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「設備管理者が知っておきたい法定点検の基本知識」
6.年末大掃除で押さえるポイント
- 早めの業者依頼:11月〜12月上旬に実施するのがおすすめ
- 複数台のスケジュール調整:台数が多い場合は計画的に作業
- 安全対策の徹底:高所作業や水洗いを伴うため、必ず専門業者に依頼
- 作業後の確認:冷暖房の効きや異音のチェックを忘れずに
11月~12月上旬までに実施するのがおすすめです。このタイミングで作業を行うことで、夏場の汚れをリセットし、寒い季節の暖房稼働前に空調効率を最大化できます。また、安全に作業を行うことができ、新年から快適な空調環境を迎えられます。
7.まとめ
業務用エアコンにおけるクリーニングは、定期的な簡易点検と、プロに依頼することで、内部の汚れや複雑な構造まで徹底清掃でき、省エネや寿命延長の効果も期待できます。
新年を清々しい空気環境で迎え、安心・安全な環境で快適なスタートを切りましょう。




