学校施設環境改善交付金で導入する体育館空調のポイント

学校の屋内運動場、いわゆる体育館は、授業や部活動で毎日活用される重要な場所です。ですが、夏は暑く、冬は寒いと感じることも少なくありません。

そんな体育館の環境改善に役立つのが、学校施設環境改善交付金です。これは、体育館の空調設備や施設改修などをサポートする国の制度で、学校の安全・快適な環境づくりに活用されています。

本記事では、交付金の概要や対象工事、申請フロー、活用のポイントなどを紹介し、どのような場面で制度が役立つかを事例とあわせて分かりやすく解説します。

→【おすすめ！】記事と合わせて読みたい「コストや運用への不安解消!体育館空調の導入ポイント」

1.学校施設環境改善交付金とは？

学校施設環境改善交付金は、公立学校の施設をより安全で快適にするための国の補助金です。特に、体育館に空調設備を導入することは、熱中症対策や防災機能の強化といった重要な目的に直結しています。

• 夏の暑さや冬の寒さから児童生徒を守る
• 災害時の避難所機能を強化
• 老朽化した施設の安全性を向上

例えば、夏の体育の授業中に熱中症のリスクを減らしたり、災害時に避難所として利用される際に快適な環境を確保したりすることも、この交付金の活用によって実現しやすくなります。

参照：文部科学省『学校施設環境改善交付金交付要綱』

2.対象者と対象工事

学校施設環境改善交付金の対象者は、公立学校を管理する地方公共団体、つまり都道府県や市町村です。教育委員会が計画を作成し、文部科学大臣に提出することで交付金の対象となります。

2-1.対象者

• 公立学校を管理する地方公共団体（都道府県・市町村）
• 教育委員会が計画を作り、文部科学大臣に提出

2-2.対象工事

• 体育館への空調設備新設

• 老朽化施設の改修や耐震化工事

• 避難所としての防災機能強化

なお、当交付金については私立学校は原則対象外ですが、自治体独自の補助制度等を活用できる場合もありますので、詳しくは当社にお問い合わせください。2025年度の補助金についての記事も、合わせてご覧ください。

→【おすすめ！】記事と合わせて読みたい「空調設備導入に活用できる補助金と申請ステップを紹介」

3.空調設備整備のメリットとポイント

体育館に空調設備を整備することで、環境面の改善は大きく期待できます。学習や運動の場として毎日使われる施設だからこそ、快適さや安全性の向上は学校運営にとって重要です。

3-1.主なメリット

熱中症対策

近年の記録的な猛暑の状況からおいても、体育館内での授業や部活動は熱中症のリスクが高まります。空調を導入することで室温を適切に保ち、児童生徒や教職員が安全に活動できる環境が整います。またスポット的な空調では難しい、空間全体の温度ムラを少なくする設計や風向きを考慮した空調配置は、より効果的な熱中症対策につながります。

避難所機能の強化

災害時には、体育館が地域の避難所として活用されることがあります。その際、空調設備が整っていると、暑さや寒さを和らげるだけでなく、長時間滞在する避難者の健康維持にも役立ちます。特に高齢者や乳幼児がいる場合、温度管理は重要です。

省エネ・コスト削減

最新の高効率エアコンやヒートポンプを採用すると、電気代の削減が可能です。さらに運用の最適化により、年間のランニングコストを抑えながら、環境への負荷も低減できます。導入前にシミュレーションを行うことで、予算計画や省エネ効果を具体的に把握できる点もポイントです。

4.TAKEUCHIの提案

TAKEUCHIでは、体育館の空調設備を整備する際、単に機器を入れるだけではなく、学校ごとの利用状況や施設の特徴に合わせた設計を大切にしています。また気流シミュレーションを行うことで、空調効果を見える化し、改善後の効果を事前に予測することも可能です。

4-1.気流シミュレーションによる最適設計

体育館の天井の高さや窓の配置、利用人数などを考慮し、温度の偏りが少なくなるように気流シミュレーションを行います。

例えば、天井が高くて冷気が下まで届きにくい場合でも、風向きや風量を適切に調整することで、どの位置でも快適に運動できる環境を作ることができます。

事前にシミュレーションすることで、導入後の室内環境をイメージしやすく、効率的な設計につながります。気流シミュレーションはこちらのページで詳しく紹介してますので、ぜひご覧下さい。

4-2.省エネ・環境への配慮

空調設備には高効率のエアコンやヒートポンプを採用することで、導入後の電気代削減やCO2排出量の軽減効果が期待できます。これにより、学校施設環境改善交付金を活用した整備計画の費用や、運用コストの目安を具体的に把握しながら検討することが可能になります。無駄の少ない運用を意識した設計は、長期的に見ても経済的かつ環境に優しい選択です。

4-3.防災・避難所機能の強化

停電時にも対応できる仕組みや自動換気、緊急稼働モードなど、防災を意識した機能も取り入れられます。災害時に体育館が避難所として活用される場合でも、長時間滞在する人々が快適に過ごせるように考慮されており、学校だけでなく地域の安全性向上にもつながります。

4-4.申請書類作成の支援

学校施設環境改善交付金を活用する場合には、計画書や見積書などの書類作成が必要です。初めて書類を作る担当者でも分かりやすいよう、必要な情報や作成手順が整理されている例もあります。これにより、空調設備整備の検討や交付金申請にかかる準備がスムーズに進やすくなります。

5.申請の流れと期限

学校施設環境改善交付金を活用するためには、まず学校側や教育委員会が施設整備計画を作成します。計画には、整備を予定している施設の状況や導入したい設備の概要、整備の目的や期待される効果などをまとめます。

作成した計画は、教育委員会を通じて文部科学大臣に提出されます。提出後は審査が行われ、条件を満たすと交付金が決定されます。交付金決定後、実際に事業を実施し、整備が完了した段階で成果報告書を提出することで、手続きが完了します。この一連の流れにより、計画から実施、報告までがスムーズに進む仕組みになっています。

令和7年11月時点では、令和7年度分の申請期限は終了していますが、次年度（令和8年度）以降も公募が行われる可能性があります。年度ごとに申請期限は変わるため、最新の情報は文部科学省の公式サイトや各教育委員会のホームページで確認することが大切です。

TAKEUCHIでは、次年度に向けた準備として、学校の利用状況や施設条件に合わせた空調設備の計画提案や、申請書類作成のサポートも行っています。「来年度に向けて準備しておきたい」という学校担当者の方も、まずは情報収集や相談から始めることができます。

6.まとめ

体育館の空調整備は、暑さ・寒さ・災害という三つの不安を解消する重要な投資です。

学校施設環境改善交付金を活用すれば、導入コストの負担を軽減しつつ、快適・安全・省エネの三拍子を揃えた環境を整えられます。

TAKEUCHIは、学校の利用状況・地域環境・交付金活用の三つを考慮した最適な空調提案で、児童生徒の安全・快適性をサポートします。「体育館の空調、どうしよう？」と悩む学校施設担当者様は、まずTAKEUCHIに相談下さい。

→【おすすめ！】記事の最後に読みたい「コストや運用への不安解消!体育館空調の導入ポイント」

参照先：文部科学省『学校施設環境改善交付金交付要綱 』／内閣府『令和５年度に係る学校施設環境改善交付金事業の確認等について（依頼）』