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倉庫における空調管理の必要性。省エネや快適性の向上を目指すポイント

工場や物流拠点にある倉庫では、適切な空調管理によって温湿度や空気環境をコントロールすることが求められます。

特に夏場は、倉庫内の気温が上昇して保管物の品質や作業員の健康に影響を及ぼす可能性があるため、1日を通した空調管理が欠かせません。

倉庫の施設管理者のなかには「空調のランニングコストを抑えつつ快適性を高める方法はないか」と対応を模索している方もいるのではないでしょうか。

この記事では、倉庫における空調管理の必要性をはじめ、省エネや快適性を向上させるポイント、空調設備のリニューアルについて解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.倉庫における空調管理の必要性
    1. 1-1.保管物の品質維持
    2. 1-2.安全かつ快適な作業環境の確保
    3. 1-3.電力消費の削減
  2. 2.倉庫の空調管理で省エネや快適性の向上を目指すポイント
    1. 2-1.エリアに応じた温度・風量設定を行う
    2. 2-2.空気を循環させて温度を均一化する
    3. 2-3.外気温の影響を抑える
  3. 3.倉庫環境に合わせた空調設備のリニューアルも効果的
  4. 4.まとめ


1.倉庫における空調管理の必要性

工場や物流拠点にある倉庫では、保管物が格納されているほか、作業員による梱包や入出庫の作業が行われます。保管環境や作業環境を維持するために、空調管理を行うことが必要です。


1-1.保管物の品質維持

保管物の品質を維持するために、倉庫内の温湿度や換気量を管理する必要があります。夏場では、倉庫内が高温多湿になりやすく、保管物の品質劣化や故障、衛生上の問題などを引き起こす可能性があります。

食品や医薬品、電子機器などの保管環境が定められている保管物においては、空調管理によって倉庫内の温湿度を適正に保つことが重要です。


1-2.安全かつ快適な作業環境の確保

倉庫内の環境は、作業員の快適性や健康面に影響します。暑い・寒いと感じる温度は、作業員の体調不良を招いたり、作業効率が低下したりする可能性があります。

特に夏場では、高温多湿な環境での作業による熱中症のリスクが懸念されます。厚生労働省が公表した『2024年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況』によると、熱中症の死傷者数のうち、建設業と製造業の業種が約4割を占めています。


▼熱中症による業種別死傷者数の割合(2020~2024年計)

熱中症による業種別死傷者数の割合(2020~2024年計)のグラフ

画像引用元:厚生労働省『2024年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況


建設業や製造業では、倉庫内での入出庫作業が伴うと考えられるため、安全な作業環境を確保するための空調管理が欠かせません。


出典:厚生労働省『2024年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況


1-3.電力消費の削減

倉庫の空調管理は、電力消費を削減するためにも必要な取り組みです。近年、国際情勢を背景にエネルギー価格が高騰しており、倉庫を持つ企業の維持管理コストにも影響を及ぼしています。

また、地球温暖化対策や持続可能な社会の実現に向けて、日本政府は2050年カーボンニュートラルを目標に掲げており、企業における省エネ化の取り組みが求められています。

空調管理によって倉庫内での電力消費を抑えることにより、発電時に排出される二酸化炭素の削減につながり、脱炭素化に貢献できるようになります。

なお、省エネの課題を解決する空調選びについてはこちらの資料をご確認ください。

→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「省エネ効果を最大化する空調選びのポイントを紹介」

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※2050年までに温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる目標のこと。



2.倉庫の空調管理で省エネや快適性の向上を目指すポイント

倉庫の快適な環境を維持しつつ省エネを目指すには、エリアごとの温度や空気の流れをコントロールすることがポイントです。


2-1.エリアに応じた温度・風量設定を行う

倉庫内のエリアに応じて温度・風量設定を行うことが重要です。

人の出入りが多い場所や窓際などは、外気温の影響によって倉庫内の温度変化が起きやすくなり、空調負荷がかかります。また、過剰な冷暖房の使用は、電力消費量の増加を招きます。

エリアの温度状況に応じて空調を自動で制御できるセンサーやシステムを活用することにより、空調運転を最適化して省エネ化につながります。倉庫内での温度差を抑えることで、保管物の品質維持と快適性の確保も可能になります。


▼倉庫のエリアに応じた空調制御の方法

方法
概要
センサーの設置
温度センサーや人感センサーを設置して、空調の設定温度・風向・風量を自動で調整する
空調制御システムの使用
室内環境をモニタリングして、設定した条件に応じて空調設備の稼働や消費電力を自動で制御する


2-2.空気を循環させて温度を均一化する

空調設備を効率的に運転するには、空気を循環させることがポイントです。

面積が広く天井が高い倉庫では、空調設備から送り込まれる冷気・暖気が全体に届きにくくなる場合があります。場所によって温度差が生じると、設定温度に到達するまでフルパワーで運転が行われ、電力消費量が増えやすくなります。

機械的に空気を循環させることによって、倉庫内の温度を均一に保ちやすくなり、空調効率の向上につながります。これにより、省エネ効果が期待できます。


▼空気を循環させる方法

  • 大型扇風機を設置して空調の風が届きにくい場所に空気を送る
  • 天井にシーリングファンを設置して倉庫全体の空気を循環させる など


2-3.外気温の影響を抑える

倉庫内に侵入する外気温の影響を防ぐための対策も有効といえます。出入口や窓から伝わる熱や外気の侵入を遮ることで、倉庫内の温度変化による空調負荷を抑えて冷暖房の効率を高められます。


▼外気温の影響を抑える方法

方法
概要
断熱化
倉庫の外壁・屋根に断熱材や断熱塗装を施工する
気密性の向上
気密性のある窓や扉に改修する
人がいる作業場や開閉頻度が多い扉にビニールカーテンを設置する
遮熱
遮熱カーテンを設置する
窓や屋根に遮熱シートを施工する



3.倉庫環境に合わせた空調設備のリニューアルも効果的

既存の空調設備について運転方法を見直すだけでなく、倉庫内の環境に合わせて空調設備をリニューアルすることも一つの方法です。

倉庫の広さ・建物の構造・外部環境・保管物の種類などに応じて空調設備を選ぶことによって効率的な運転が可能になり、省エネ性や快適性の向上につながります。


▼倉庫環境に合わせた空調選びのポイント

  • 天井高や面積に適した室内機の形状・吹出口を選ぶ
  • 広さをカバーできる冷暖房の能力(馬力)を選ぶ
  • 人の出入りが多い倉庫には動きを検知するセンサー機能をつける など


倉庫に設置する業務用エアコンの選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

  倉庫のエアコンは何で選ぶ? 設置するエアコンの種類と選び方 貨物や物品などを保管する倉庫では、保管物の品質維持や熱中症による作業者の健康被害を防止するためのエアコンがこれまで以上に重要となっています。この記事では、倉庫に設置するエアコンについて、種類や倉庫の広さとの関係、選び方を解説します。 TAKEUCHI株式会社

なお、空調のリニューアルには初期投資が必要になりますが、補助金を活用できる場合があります。詳しくはこちらの資料をご確認ください。

→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「空調設備導入に活用できる補助金と申請ステップを紹介」

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4.まとめ

この記事では、倉庫の空調について以下の内容を解説しました。


  • 倉庫における空調管理の必要性
  • 倉庫の空調管理で省エネや快適性の向上を目指すポイント
  • 倉庫環境に合わせた空調設備のリニューアル


倉庫の空調管理は、保管物の品質維持をはじめ、安全かつ快適な作業環境の確保、電力消費の削減のために必要といえます。省エネと快適性を両立させるには、設定温度と空気の流れをコントロールして、空調負荷の低減や温度の均一化を図ることがポイントです。

また、倉庫環境に応じて空調設備をリニューアルすることも効果的です。業務用エアコンには多種多様な選択肢があるため、「どのような能力や機能が必要なのか分からない」という方は、TAKEUCHIまでご相談ください。

TAKEUCHIでは、倉庫内の環境や用途に合わせた空調のリニューアルをトータルサポートしています。最新の分析技術で空気の流れを可視化して、利用環境に合わせた空調をプランニングいたします。

省エネ効果を最大化する空調選びについては、こちらの資料をご確認ください。

→【おすすめ!】記事の最後に読みたい「省エネ効果を最大化する空調選びのポイントを紹介」

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