
保育園に適したエアコンとは?園児が快適に過ごすための空調選びのポイント
園児が長い時間を過ごす保育園では、快適な空調環境が欠かせません。
子どもは大人に比べて体温調節機能が未発達なため、室温・湿度だけでなく、冷暖房の風が直接当たらないか、暑さ・寒さのムラがないかなど、園児が実際に過ごす環境への配慮が大切です。また、床に座ったり寝転んだりすることも多いため、大人とは異なる高さで感じる温度や風の当たり方にも目を向ける必要があります。
さらに、換気による温度変化や、お昼寝中の運転音、長時間運転による電気代など、保育園ならではの課題もあります。
この記事では、保育園の室温・湿度の目安から、エアコン選び、換気・メンテナンス、空調計画で確認したいポイントまで解説します。
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目次[非表示]
1.保育園でエアコンを使用するときの室温・湿度の目安
保育園の空調を考えるうえで、まず確認しておきたいのが室温と湿度です。
こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、保育室の環境の目安として、夏季は26~28℃、冬季は20~23℃、湿度は60%程度が示されています。また、季節に合わせて適切な室温・湿度を保つとともに、十分な換気を行うことも重要とされています。
ただし、こうした数値はあくまで室内環境を整える際の目安です。エアコンの設定温度と、園児が実際に過ごす場所の室温が必ずしも一致するとは限りません。
例えば、日差しの入りやすい窓際は室温が高くなりやすく、エアコンの吹き出し口付近では冷暖房の風によって、同じ室内でも温度や風の感じ方が異なることがあります。また、園児が多く集まって活動している時間帯と、お昼寝の時間帯では、室内の温度や気流の状態も変わります。
そのため、エアコンの設定温度だけで判断するのではなく、温湿度計などを使って、園児が実際に過ごしている場所の室温・湿度を確認することが大切です。
特に0~1歳の乳幼児は、体温調節機能が未熟で、外気温や室温、湿度などの影響を受けやすいとされています。室温・湿度の数値だけでなく、園児の様子や活動内容も見ながら、必要に応じて空調を調整しましょう。
2.保育園のエアコン選びで押さえたい5つのポイント
ここでは、保育園の空調設備を導入・更新する際に確認したい5つのポイントを紹介します。
2-1.園児に長時間風が当たらないようにする
保育園では、園児が床に座って遊んだり、お昼寝をしたりする時間が長いため、エアコンの風が同じ場所に当たり続けないようにすることが大切です。
まずは、室内機の風向きを調整し、園児が長時間過ごす場所に冷風や温風が直接当たらないようにします。風向きを細かく設定できる機種を選ぶことも方法の一つです。
また、サーキュレーターを併用して室内の空気を循環させる方法もあります。エアコンの風を園児に直接当てるのではなく、室内全体に空気を行き渡らせるようにすることで、特定の場所に風が集中するのを避けやすくなります。
サーキュレーターを使用する場合も、園児の活動場所やお昼寝スペースに直接風が向かないよう、設置場所や風向きを確認しましょう。
2-2.温度ムラを抑える
同じ保育室でも、窓際や廊下側、部屋の中央、エアコンに近い場所と離れた場所では、室温に差が生じることがあります。
温度ムラを抑えるには、エアコンの能力だけでなく、室内機の台数や配置、吹き出し方向などを含めて空調を計画することが重要です。また、暖房時は暖かい空気が上にたまりやすく、冷房時は冷たい空気が下にたまりやすいため、室内の高さによっても温度差が生じます。室内の位置や高さによる温度差も考慮して、空調を計画する必要があります。
TAKEUCHIでは、こうした室内の温度分布や気流の状態を「気流シミュレーション」で可視化し、空調の効き方を事前に確認しています。
実際の保育室を想定して検証することで、室内機の台数や配置、吹き出し方向などを検討する際の判断材料にできます。
2-3.お昼寝を妨げにくい静音性を確認する
保育園では、お昼寝など静かな環境が必要な時間帯があるため、エアコンを選ぶ際は冷暖房能力だけでなく、室内機の運転音も確認しておきたいポイントです。
エアコンの運転音は「dB(デシベル)」で示され、数値が小さいほど音が小さくなります。一般的に30dB前後は、静かな環境を保ちたいお昼寝時の一つの目安になります。
機種を比較するときは、通常運転時だけでなく、風量が強くなったときの運転音も確認しましょう。室温を素早く調整するときなどは風量が大きくなる場合があるため、カタログで「弱・中・強」など、風量ごとの運転音を確認しておくと、実際の使用時をイメージしやすくなります。
必要な空調能力を確保したうえで、運転音の小さい機種を選び、室内機の設置位置も含めて検討することで、お昼寝の時間帯にも配慮した空調計画につながります。
2-4.園児が過ごす空間として安全性を確認する
保育園の空調設備では、園児が安心して過ごせるよう、設置場所やその周辺の安全性にも配慮する必要があります。大人にとっては気にならない位置でも、園児の目線や動き方によっては、思わぬ接触やけがにつながることがあります。
導入・更新時には、主に次の3点を確認しておきましょう。
室内機・配管・配線
壁掛形や床置形の室内機を低い位置に設置する場合は、園児がぶつかったりよじ登ったりしないか、遊びのスペースとの位置関係を確認します。むき出しの配管や配線は、カバーで保護するなど、園児の手が届かないよう配慮しましょう。
リモコン
リモコンが園児の手の届く位置にあると、遊びの中で運転や設定温度を変えてしまうことがあります。職員は操作しやすく、園児は触れにくい位置に設置しましょう。
室外機
園庭や通路の近くに室外機を設置する場合は、柵で囲うなど、園児が近づけないようにする工夫が必要です。室外機は運転中に温風や冷風を吹き出すため、周囲で園児が遊ぶ場所との位置関係も確認しておきましょう。
エアコンを選ぶ際は、機器の性能だけでなく、園児の動線や活動スペースまで含めて、安全に設置・使用できるかという視点で設備計画を考えることが重要です。
2-5.長時間運転を踏まえて省エネ性能を確認する
保育園では、開園時間中を通して空調を使用する場面も多くあります。特に夏や冬は稼働時間が長くなりやすいため、エアコンを選ぶ際は導入費用だけでなく、運転時の消費電力やランニングコストも確認することが重要です。
ただし、省エネを意識して能力の小さいエアコンを選べばよいわけではありません。必要な能力が不足すると、設定温度に近づけるために負荷の高い運転が続き、十分な室温を維持できない可能性があります。
エアコンの能力を選定するときは、広さだけでなく、園児や職員の人数、窓からの日射、天井の高さ、換気による外気の流入など、室内の熱負荷を左右する条件も考慮する必要があります。
また、機種を比較する際は、カタログなどで消費電力や省エネ性能を確認し、想定する運転時間から年間の電気代を試算すると、導入後のランニングコストを比較しやすくなります。
現在使用しているエアコンが古い場合は、既存機器と更新後の機種で消費電力を比較することで、更新によってどの程度の省エネが期待できるかを検討する材料にもなります。
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3.保育園ではエアコンと換気をあわせて考える
保育園の室内環境を整えるには、エアコンによる温度調整だけでなく、換気も適切に行うことが大切です。
3-1.エアコンだけでは換気できない
一般的なエアコンは、室内の空気を取り込み、温度を調整して再び室内へ戻すことで、室温を調整します。一方、換気は室内の空気を外へ排出し、外気を取り入れて空気を入れ替えるものです。
そのため、エアコンを運転しているだけでは、室内の空気と外気を入れ替えることはできません。
こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」でも、保育室では季節に合わせて適切な室温・湿度を保つとともに、換気することが示されています。
3-2.換気するとエアコンの負荷も変わる
換気によって外気を取り入れると、室温にも影響します。夏は暑い外気、冬は冷たい外気が入ることで、エアコンの負荷が大きくなることがあります。
また、保育園では送迎時などに出入口の開閉が多くなるため、玄関や出入口に近い保育室では、外気の流入によって室温が変化しやすい場合もあります。
そのため、エアコンと換気は別々に考えるのではなく、
外気をどこから取り入れるか
室内の空気をどこから排出するか
エアコンの風をどのように循環させるか
といった空気の流れ全体を考えて、空調と換気を計画することが重要です。
4.保育園のエアコンを快適に使い続けるための管理・メンテナンス
エアコンは適切な機種を導入しても、使用するうちにほこりや汚れが蓄積し、設備も少しずつ劣化します。快適な室内環境を維持するには、導入後の清掃やメンテナンスも欠かせません。
4-1.フィルターやエアコンを定期的に清掃する
エアコンのフィルターや室内機には、使用するうちにほこりや汚れが蓄積します。汚れた状態で使用を続けると、衛生面だけでなく、空調効率の低下につながる場合があります。
こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」でも、保育室の衛生管理として、エアコンを定期的に清掃することが示されています。
フィルターなど日常的に確認できる部分は定期的に清掃し、内部の点検や清掃など施設側で対応が難しい作業は、専門業者に依頼しましょう。
日常的な清掃と専門業者によるメンテナンスを適切に組み合わせることが、エアコンを長く快適に使うためのポイントです。
5.まとめ
この記事では、保育園に適したエアコンや空調環境について、以下の内容を解説しました。
保育園でエアコンを使用するときの室温・湿度の目安
保育園のエアコン選びで押さえたい5つのポイント
エアコンと換気をあわせて考える必要性
快適な空調環境を維持するための管理・メンテナンス
保育園では、室温や湿度を適切に保つだけでなく、園児に強い風が直接当たらないことや、室内の温度ムラを抑えること、静音性や安全性などにも配慮した空調環境づくりが重要です。
TAKEUCHIでは、業務用エアコンの導入・リニューアルから施工、保守・メンテナンスまでサポートしています。気流シミュレーションを活用した空調計画にも対応していますので、保育園・幼稚園などの空調環境でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。




