
室外機の盗難防止はできていますか? 施設で検討したい4つの対策
近年、全国的にエアコン需要が高まるなかで、室外機の盗難被害が増加傾向にあります。
特に施設や店舗では、屋外に設置された室外機が狙われやすく、被害は都市部だけでなく地方にも広がっています。
本記事では、エアコンの室外機を設置している施設の管理者やオーナーの方に向けて、盗難被害の現状や具体的な盗難防止策を解説します。
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目次[非表示]
1.全国的に増加する室外機の盗難被害
近年、エアコンの室外機が盗難の被害に遭うケースが全国的に増加しています。その背景として、室外機の内部に使用されている金属の価格高騰が挙げられます。
実際に、警察庁が公表している『金属盗対策に関する検討会 報告書』には、2020年以降で金属盗の件数は増加傾向にあると記載されています。
▼令和2年以降の金属盗認知件数の推移
画像引用元:警察庁『金属盗対策に関する検討会報告書』
特に、リサイクル業者への転売目的で、施設や店舗、工場などの室外機が狙われやすくなっています。盗難被害は都市部だけでなく、地方の施設や無人の現場でも発生しており、被害額も決して小さくありません。
一度盗まれると、エアコンの機能が停止し、業務やサービスに大きな支障をきたすため、早急な対策が求められています。
出典:警察庁『金属盗対策に関する検討会報告書』
2.室外機の盗難は施設運営にも影響が及ぶ
室外機が盗難に遭うと、エアコンが使えなくなり、施設内の温度管理ができなくなります。
従業員や利用者の快適性が損なわれるだけでなく、商品や設備の品質管理にも悪影響を及ぼす可能性があります。
また、修理や交換には多額の費用と時間がかかり、営業停止や業務遅延といった二次被害も発生します。特に夏場や冬場は空調が必須となるため、熱中症のリスクも加わります。
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3.室外機の盗難防止が必要! 施設で検討したい4つの対策
室外機の盗難を防ぐためには、複数の対策を組み合わせて実施することが重要です。ここでは、施設で特に効果的とされる4つの盗難防止策を紹介します。
それぞれの対策には特徴やコスト、導入の手間などがあるため、施設の状況や予算に応じて最適な方法を選びましょう。
3-1.盗難防止用ナットやワイヤー錠で固定する
盗難防止用ナットやワイヤー錠は、室外機を物理的に固定する最も手軽な方法の一つです。
専用のセキュリティナットは、一般的な工具では簡単に外せない構造になっており、盗難を試みる犯人にとって大きな障壁となります。また、ワイヤー錠を使って室外機と建物や地面をつなぐことで、持ち去りを防止できます。
これらのアイテムは比較的安価で導入でき、比較的簡単に設置可能なため、すぐに始められる防犯対策としておすすめです。
3-2.コンクリートブロックに固定する
室外機をコンクリートブロックや専用のコンクリートベースにしっかりと固定する方法は、盗難防止に非常に効果的です。
コンクリートブロックは重く、持ち上げて運び出すのが困難なため、犯人にとって大きな抑止力となります。また、ボルトやアンカーで地面や壁に固定することで、
さらに防犯効果が高まります。この方法は、台風などの自然災害対策にもなります。
3-3.盗難防止アラームを取り付ける
盗難防止アラームは、室外機に振動や動きを感知するセンサーを取り付け、異常があれば大音量で警報を鳴らす防犯アイテムです。
犯人が室外機を動かそうとした瞬間にアラームが作動するため、驚いて犯行を諦めるケースが多く、即効性の高い対策といえます。
最近では、電池式やソーラー充電式など設置が簡単な製品も増えており、配線工事が不要なタイプも選べます。
3-4.防犯カメラを設置して遠隔監視する
防犯カメラの設置は、室外機の盗難防止において非常に高い抑止効果があります。
カメラがあることで犯人は犯行をためらい、万が一被害に遭った場合も映像が証拠となり、警察への通報や保険申請にも役立ちます。
最近では、スマートフォンで遠隔監視できるネットワークカメラや、夜間でも鮮明に映る赤外線カメラなど、さまざまなタイプが登場しています。
設置場所や死角を考慮し、複数台のカメラを組み合わせることで、より強固な防犯体制を構築できます。
4.室外機の盗難対策は業務用エアコン事業者に相談を!
ここまで紹介した4つの盗難対策は施設側でも比較的取り入れやすい方法ですが、より高い防犯効果を得るためには、業務用エアコンを扱う専門事業者への相談がおすすめです。
室外機の設置場所や固定方法など、専門的な観点から最適な対策を提案・施工してもらえるため、被害リスクを抑えられます。
例えば、以下のような現場環境に適した対策も実施可能です。
- 道路に面しない場所や手の届きにくい高所へ室外機を設置する
- 盗難防止用のフェンスを取り付ける など
また、業務用エアコンの新設やリニューアルを検討している施設では、盗難防止策を併せて計画することが重要です。
導入時から防犯性を意識した設計にすることで、無駄な工事や追加コストを抑えつつ、長期的に安心して設備を運用できます。
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5.まとめ
この記事では、室外機の盗難防止について以下の内容を解説しました。
- 全国的に増加する室外機の盗難被害
- 室外機盗難による施設運営への影響
- 施設で検討したい4つの盗難防止対策
- 盗難対策を業務用エアコン事業者に相談がおすすめ
室外機の盗難被害は全国的に増加しており、施設運営に大きな影響を及ぼします。盗難防止には、ナットやワイヤー錠、コンクリートブロック固定、アラーム、防犯カメラなど複数の対策を組み合わせることが効果的です。
また、業務用エアコン事業者に相談することで、より安心・確実な防犯体制を構築できます。
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