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室外機の塩害による影響と予防策。沿岸部に適した業務用エアコンの選び方とは

潮風の影響を受ける沿岸部にある建物では、劣化や浸食、錆つきといった塩害が起きやすくなります。建物の屋外に設置する業務用エアコンの室外機においても、塩害への対策が必要です。

学校や介護施設、工場、オフィスなどの施設管理者のなかには「塩害でどのような影響が生じるのか」「どのような予防策があるのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、塩害が起こる原因や室外機への影響、予防策、沿岸部に適した業務用エアコンの選び方について解説します。

なお、業務用エアコンの導入・リニューアルに活用できる補助金は、こちらの資料にまとめています。ぜひご覧ください。

→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「空調設備導入に活用できる補助金と申請ステップを紹介」


目次[非表示]

  1. 1.室外機の塩害とは
  2. 2.室外機の塩害による影響
  3. 3.室外機における塩害の予防策
    1. 3-1.定期的なメンテナンスの実施
    2. 3-2.外板や熱交換器などへの防食塗装
    3. 3-3.室外機の設置場所・向きの調整
  4. 4.沿岸部に適した業務用エアコンの選び方
  5. 5.まとめ


1.室外機の塩害とは

室外機の塩害とは、潮風に含まれる塩分によって室外機の外装や部品などが浸食・劣化する現象です。海からの距離が近い沿岸部や臨海地区にある建物では、室外機の塩害が起こりやすくなります。

また、塩害のほかに室外機の浸食が起こりやすいエリアに“温泉地”があります。温泉に含まれる硫黄・酸・アルカリなどの成分が風に乗って室外機に吹き付けることにより、熱交換器や銅管などが侵食されます。



2.室外機の塩害による影響

潮風に乗って室外機の金属部品に塩分が付着することにより、さまざまな被害をもたらします。


▼塩害によって生じる影響

  • 内部部品のサビ・腐食
  • 絶縁部の導電
  • 漏電 など


サビ・腐食や絶縁部の導電などは、故障や不具合の原因になります。また、業務用エアコンの寿命は一般的に13~15年とされていますが、塩害によって劣化が早く進むことで寿命が短くなる可能性もあります。


業務用エアコンの寿命についてはこちらの記事をご確認ください。

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3.室外機における塩害の予防策

沿岸部にある建物に設置する業務用エアコンには、こまめにメンテナンスを実施するとともに、内陸部にある建物とは異なる塩害への対策が必要です。


3-1.定期的なメンテナンスの実施

定期的に業務用エアコンのメンテナンスを実施することが必要です。専門の事業者に依頼するメンテナンスの内容には、以下が挙げられます。


▼プロの事業者に依頼する内容

  • 室外機の内部洗浄
  • 劣化状況の検査
  • 部品交換や修理 など


室外機を洗浄して表面や内部のフィンに付着した塩分を取り除くことで、金属部品のサビ・腐食を防止できます。また、部品の腐食状況を検査してもらい部品交換や修理を行うことにより、塩害による故障を未然に防ぐことが可能です。

なお、沿岸部をはじめとする塩害地域では、内陸部の地域とメンテナンスの実施頻度に違いがあります。劣化が進行しやすい塩害地域においては、より短いスパンでメンテナンスを実施することが望まれます。


業務用エアコンにおけるメンテナンスの重要性はこちらの記事をご確認ください。

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3-2.外板や熱交換器などへの防食塗装

塩害による室外機の腐食を防ぐ対策として、防食塗装を実施する方法があります。


▼防食塗装のイメージ

田村病院


室外機の外板・熱交換器・基盤などに防食塗装を行うことで、潮風の影響によるサビや腐食を防ぐことが可能です。防食塗装は、塩害だけでなく温泉成分による室外機の腐食を防ぐ対策としても有効です。


実際に防食塗装を行った事例はこちらからご確認ください。

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3-3.室外機の設置場所・向きの調整

塩害を受けやすい地域では、室外機の設置場所・向きを調整することも重要です。

潮風が直接当たりにくい場所に設置することで、塩害による影響を受けにくくなり業務用エアコンの長寿命化につながります。


▼室外機の設置場所・向きの調整方法

  • 海側から反対(陸側)に設置する
  • 海側に設置する場合は室外機の周囲に防風板を設置する
  • 吸込口の向きを海岸線に対して直角にする など



4.沿岸部に適した業務用エアコンの選び方

沿岸部にある建物に導入する業務用エアコンでは、サビや腐食を防ぐ加工が施された耐塩害仕様または耐重塩害仕様の機種を選ぶことがポイントです。

海岸からの距離や室外機の設置環境によって推奨される仕様が異なります。


▼耐塩害仕様と耐重塩害仕様の機種を選ぶときの目安


耐塩害仕様
耐重塩害仕様
海岸からの距離
約300m超1km以内
約300m以内
室外機の設置場所
  • 建物の影になる場所
  • 雨で洗われる場所
  • 海岸に面する場所
  • トタン屋根やベランダ鉄製部の塗り替え頻度が多い場所
  • 雨にかからない場所


耐重塩害仕様は、耐塩害仕様と比べて潮風の影響をより強く受けやすい地域に適しています。ただし、実際の設置環境によって適した仕様は異なることから、機種の選定については専門事業者への相談が不可欠です。


なお、業務用エアコンの導入・リニューアルに活用できる補助金は、こちらの資料にまとめています。

→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「空調設備導入に活用できる補助金と申請ステップを紹介」


※日本冷凍空調工業会の標準規格JRA9002に基づく



5.まとめ

この記事では、室外機の塩害について以下の内容を解説しました。


  • 塩害の原因
  • 室外機の塩害による影響
  • 室外機の塩害に対する予防策
  • 沿岸部に適した業務用エアコンの選び方


海から近い沿岸部のエリアでは、室外機が塩害を受けやすくなります。サビや腐食による故障・不具合を防いで寿命を長くするには、定期的なメンテナンスの実施と潮風の影響を防ぐ対策が必要です。

また、業務用エアコンのリニューアルを実施する際には、耐塩害仕様または耐重塩害仕様の機種を選ぶこともポイントです。ただし、設置環境や据付場所などのさまざまな内容を考慮する必要があるため、専門事業者への相談が欠かせません。

TAKEUCHIでは、空調設備のトータル改善をサポートしています。施設の課題に合わせた機種の選定から環境に応じた設置場所の提案、導入後のメンテナンスまでお任せいただけます。ぜひお気軽にご相談ください。

なお、業務用エアコンの導入・リニューアルには、国の補助金を活用できる可能性があります。詳しくは、こちらの資料をご確認ください。

→【おすすめ!】記事の最後に読みたい「空調設備導入に活用できる補助金と申請ステップを紹介」

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