業務用エアコンでできる花粉対策。快適空間への実践的ステップ
花粉が飛散するシーズンになると、目・喉の不快感やアレルギー症状に悩む人が現れます。学校・介護施設・工場・オフィスなどの施設では、利用者が快適に過ごせる空気環境を維持するために花粉対策を行うことが求められます。
業務用エアコンにおいては、温度調節を行う際に室内外の空気を循環させるため、空気中に浮遊する花粉の除去や再拡散を防ぐ対策が必要になります。
この記事では、業務用エアコンの管理者や専門事業者に依頼して行える花粉対策と、花粉対策に効果的な機能、おすすめの機種について紹介します。
なお、業務用エアコンのリニューアルには補助金を活用できる可能性があります。詳しくはこちらの資料をご確認ください。
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目次[非表示]
1.業務用エアコンの管理者ができる花粉対策
風に乗って運ばれる花粉は、窓を開放して換気を行ったり、衣類に付着したりすることによって施設の中に持ち込まれます。
業務用エアコンは、室内の空気を吸い込んで外に排出する仕組みとなるため、室内機の内部に花粉が付着して送風で空気中に拡散されやすくなります。
施設の管理者は、室内機の内部に花粉を溜めないようにするとともに、冷暖房時の送風による再拡散を防ぐ対策が必要です。
1-1.フィルターの掃除
室内機のフィルターを掃除して、付着した花粉を取り除く方法です。
業務用エアコンのフィルターには、室内の空気中に漂う花粉・ホコリ・PM2.5などを捉えて、室外機の内部への侵入を防いだり、清潔な空気環境を維持したりする役割があります。
長期間そのままにしておくとフィルターに花粉が付着して室内に拡散される原因となるため、定期的に掃除を行うことが重要です。
▼フィルターの掃除方法
- 室内機のパネル・フィルターを取り外す
- 掃除機でフィルターに付着したホコリを吸い取る
- 歯ブラシやスポンジを使って水洗いする
- 水洗いしたフィルターを風通しのよい場所で陰干しする
- フィルターが乾いたあと本体に取り付ける
業務用エアコンを管理者が掃除する方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
1-2.市販エアコンフィルターの利用
花粉対策に適した市販のフィルターを取り付ける方法です。
微細な粒子をキャッチできるフィルターを吸気口に取り付けることで、室内の空気を吸い込む際に花粉を吸着して、再拡散を防げるようになります。
花粉をはじめ、微細な粉じんやPM2.5も捉えられるフィルターであれば、施設のアレルギー対策にもつながります。
1-3.加湿器や空気清浄機の併用
業務用エアコンを使用する際に、加湿器や空気清浄機を併用することも有効です。
▼花粉対策における加湿器や空気清浄機の役割
役割 |
|
加湿器 |
花粉の舞い上がりを防ぐ
目・喉・鼻の粘膜を保湿する
|
空気清浄機 |
浮遊している花粉を吸い込んで空気を浄化する |
室内が乾燥していると空気中に花粉が舞いやすくなるほか、目・喉・鼻などの粘膜に不快な症状を感じやすくなります。
加湿器を併用して一定の湿度を保つことで、花粉が水分を含んで床に落ちやすくなり、吸い込みを低減できます。また、粘膜の乾燥を防ぐとバリア機能の働きが維持されやすくなり、不快感を抑えられる効果が期待できます。
空気清浄機には、空気中に浮遊する花粉やホコリ、PM2.5などを吸い込んで清潔な空気へと洗浄する機能があるため、施設の花粉対策として役立ちます。
2.専門事業者による業務用エアコンの分解洗浄も効果的
施設の管理者が行える花粉対策には限界があります。専門事業者に依頼して業務用エアコンの分解洗浄を行うと、フィルターを通り抜けて室外機の内部に溜った花粉までしっかり除去することが可能です。
▼管理者によるフィルター掃除とプロが行う分解洗浄の範囲
管理者によるフィルター掃除 |
プロが行う分解洗浄 |
フィルターのみ |
フィルター・ルーバー・ドレンパン・ファン・熱交換器(室内機) など |
プロが行う分解洗浄では、特殊な洗浄機を使用して室内機の各パーツを取り外してから洗浄を行います。
▼分解洗浄の一般的な手順
- 室内機の周囲を養生する
- 本体パネルやフィルターを取り外す
- ドレンパンの水抜きを行う
- 内部の各パーツを取り外して分解する
- 高圧洗浄機と洗剤で汚れを落とす
- 各パーツを取り付ける
なお、分解洗浄の頻度は業務用エアコンの使用頻度・環境によって異なりますが、2年に1回程度のペースで行うことが目安といえます。
→【おすすめ!】記事と合わせて読みたい「空調課題における改善提案と弊社事例紹介」
3.花粉対策におすすめ!空気清浄機能を持つ業務用エアコン
業務用エアコンで花粉対策を行うには、空気清浄機能が備わった機種またはユニットにリニューアルすることも一つの方法です。ここからは、空気清浄機能を持つおすすめの業務用エアコンを紹介します。
3-1.ダイキン|ストリーマ除菌ユニット
『ストリーマ除菌ユニット』は、業務用エアコンに組み込む一体型の空気清浄ユニットです。
高速電子の放電によって有害物質を酸化分解する“ストリーマ”と呼ばれる独自の技術により、花粉をはじめとするアレルギー物質やホコリ、カビなどを取り除き、快適な空気環境を維持できます。
▼ストリーマ除菌ユニットの特徴
- 冷暖房や送風の運転時にもクリーン運転を実施
- 1台(5馬力相当)で約72m2の空調が可能
- 室外機との一体設置で省スペース化を実現
参考:ダイキン『ストリーマ除菌ユニット』
3-2.日本キヤリア|プラズマ空清
『プラズマ空清』は、空気洗浄機能が標準搭載されている店舗・オフィス用の天井吊形エアコンです。プラズマ放電によって目に見えない微細な花粉・ホコリ・ウイルスなどを熱交換器に吸着させる電気集塵方式が採用されています。
▼プラズマ空清の特徴
- 電気集塵方式により5分で花粉の99%(※)を減少
- 熱交換器に吸着した汚れはドレン水と一緒に屋外へ排出
- PM0.1レベルの微細な粒子を捉えて抑制・除去が可能
※密閉空間(60m3)の場合
参考:日本キヤリア『「プラズマ空清」標準搭載・天井吊形エアコン特設ページ』
3-3.Panasonic|ナノイーX
『ナノイーX』は、Panasonicの空調設備に搭載されている空気清浄機能です。
空気中の水に高電圧を加えて生成される微粒子イオンに含まれる“OHラジカル”が、花粉や菌、カビなどの有害物質を変性させて作用を抑制します。
▼ナノイーXの特徴
- 有害物質になじみやすい水の使用により広範囲まで作用が届きやすい
- 繊維の奥まで入り込む微細なイオンで衣類についた花粉も抑制
- 頑強なチタンの使用によってナノイーデバイスの交換が不要
なお、施設における空調課題を解決した事例については、こちらの資料で紹介しています。併せてご確認ください。
参考:Panasonic『業務用空調 ナノイーX』
4.まとめ
この記事では、業務用エアコンの花粉対策について以下の内容を解説しました。
- 管理者ができる花粉対策
- 専門事業者による業務用エアコンの分解洗浄
- 花粉対策を行える空気清浄機能を持つ業務用エアコン
業務用エアコンの花粉対策では、室内機の内部に花粉を溜めないようにするとともに、送風による再拡散を防ぐことがポイントです。管理者が行える対策には、フィルターの掃除や加湿器・空気清浄機の併用などが挙げられます。
しかし、花粉をしっかり取り除いてきれいな空気環境をつくるには、プロの専門事業者に内部洗浄を依頼したり、空気清浄機能を持つ業務用エアコンにリニューアルを行ったりすることが効果的です。
TAKEUCHIでは、貴社のニーズを詳細にヒアリングして、施設の用途や求められる機能に適した業務用エアコンの機種を選定します。また、省エネ効果を最大限に引き出す設置方法や、運用効率を高める管理方法もご提案し、長期的に安心してご使用いただけるようにサポートいたします。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。
また、業務用エアコンの導入・リニューアルに活用できる補助金は、こちらの資料にまとめています。
→【おすすめ!】記事の最後に読みたい「空調課題における改善提案と弊社事例紹介」