業務用エアコンの洗浄を専門事業者に任せたほうがよいケースとは。自身でできる清掃の範囲と注意点
業務用エアコンを設置している学校・介護施設・工場・オフィスなどでは、定期的に室内機の清掃を行うことが望まれます。
施設管理者のなかには「業務用エアコンはどのような手順で清掃するのか」「専門事業者に依頼するほうがよいか」など疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、業務用エアコンの室内機を自身で清掃する手順や注意点、専門事業者に洗浄を依頼したほうがよいケースなどについて解説します。
なお、業務用エアコンの導入・リニューアルに活用できる補助金は、こちらの資料にまとめています。ぜひご活用ください。
目次[非表示]
- 1.業務用エアコンの清掃手順
- 1.1.➀必要な道具を準備する
- 1.2.②パネル・フィルターを取り外す
- 1.3.③パネル・本体・吹出口を掃除する
- 1.4.④フィルターを洗浄する
- 1.5.⑤フィルターを陰干しする
- 1.6.⑥フィルターを取り付ける
- 2.業務用エアコンを清掃する際の注意点
- 3.専門事業者に洗浄を依頼したほうがよいケース
- 4.業務用エアコン洗浄の専門事業者を選ぶポイント
- 5.まとめ
業務用エアコンの清掃手順
業務用エアコンの室内機を、1~3ヵ月に1度程度、定期的に清掃することで、清潔な空気環境を維持できるほか、性能トラブルの防止につながります。
▼洗浄によって解決できる困りごと
- ホコリ・カビによる健康面への影響
- 熱交換の不良による冷暖房能力の低下
- 風量の低下 など
施設管理者自身が行う清掃は、主にフィルターや吹き出し口、ダストボックスなど、機器の外側についたホコリや汚れを除去するといった簡単な範囲となります。内部の汚れを除去しようとすると故障につながるおそれもあるため、外側の汚れを清掃するのみにとどめておきます。
➀必要な道具を準備する
室内機の洗浄に必要な道具を準備します。
▼準備しておく道具
- 脚立
- スポンジや歯ブラシ
- 中性洗剤
- 雑巾またはタオル
- 手袋
- 掃除機
- ビニールシート
- ヘルメット
- ゴーグル など
手の汚れが気になる方は、水の侵入を防げる手袋を用意しておくと便利です。掃除機は、フィルターについたホコリを大まかに取り除いたり、床へ落ちたホコリやゴミを掃除したりするのに役立ちます。
また、掃除中に洗剤やホコリがOA機器・パソコンなどにかからないように、ビニールシートでデスク周りを覆っておくこともポイントです。
高所での作業となるため、転落時のけがを防止するためのヘルメットや、上から落ちてきたホコリから目を守るためのゴーグルもあると、より安全に作業ができます。
②パネル・フィルターを取り外す
電源を切ってから、エアコンの外側にあるパネルとフィルターを取り外します。
業務用エアコンのタイプやメーカーによって取り外し方が異なるため、付属の取扱説明書またはメーカーの指示に沿って行うようにします。
なお、掃除中に誤ってほかの人がエアコンの電源を入れてしまわないように、ブレーカーを落としておくと安心です。
③パネル・本体・吹出口を掃除する
業務用エアコンのパネル・本体・吹出口を水で濡らしたタオルまたは雑巾で拭き取ります。特に吹出口は、結露によってカビが発生しやすい場所となるため、洗剤で念入りに掃除することがポイントです。
④フィルターを洗浄する
パネル・本体・吹出口の掃除が終わったら、フィルターを洗浄します。
歯ブラシやスポンジで水洗いする際は、力を入れすぎるとフィルターの目が破損・変形してしまう原因となるため、優しくこすることがポイントです。
⑤フィルターを陰干しする
水洗いしたフィルターは、風通しのよい日陰に干して乾燥させます。
水に濡れた状態でフィルターを取り付けた場合、臭いやカビの原因となるため、完全に乾燥するまで待つ必要があります。
⑥フィルターを取り付ける
フィルターが乾いたら、室内機の本体に取り付けます。取り外すときと同様に、取扱説明書やメーカーの指示に沿った手順で操作することが重要です。
また、フィルターの取り付けが終わったら、床に落ちたホコリ・汚れを掃除します。ビニールシートを使用している場合は最後に撤去して完了となります。
業務用エアコンを清掃する際の注意点
施設管理者が業務用エアコンを清掃する際には、以下の注意点があります。
▼注意点
- 脚立を使用する際は、安定した足場を確保する
- 内部の部品は分解しない
業務用エアコンは、施設の天井や壁の高い位置に設置されていることが一般的です。脚立を使用する場合は、「足場が平らになっているか」「周囲に家具やモノがないか」を確認したうえで、2人以上で脚立を支えながら作業することが必要です。
また、内部の構造は複雑になっているため、むやみに分解すると故障の原因になったり、復元が難しくなったりする可能性があります。高所での作業や内部の洗浄が必要な場合は、専門事業者に依頼することが重要です。
専門事業者に洗浄を依頼したほうがよいケース
業務用エアコンの使用状況によっては、専門事業者に洗浄を依頼したほうがよい場合があります。
専門事業者は、エアコンを分解して内部まで洗浄する“分解洗浄”を行います。分解洗浄では、施設管理者が行う清掃だけでは綺麗にできない内部まで洗浄することが可能です。そのため、定期的に清掃を行っている場合でも、2~3年に1度程度は専門事業者に洗浄を依頼することが望まれます。
分解洗浄には時間がかかるため、業務用エアコンをあまり使用しない春や秋の時期に依頼することをおすすめします。
▼専門事業者に依頼したほうがよいケース
- 長年洗浄をしていない
- 冷暖房の効きが悪くなっている
- 異音がする など
また、定期的な清掃を行わないまま長年が経過していると、ホコリやカビなどの汚れが蓄積して、自身で取り除くことが難しいことがあります。
冷暖房の能力が低下したり、異音が鳴ったりする場合は、故障の可能性も考えられます。加えて、15年以上の長期間にわたって使用している場合は、メンテナンスやリニューアルの検討も兼ねて、専門事業者に一度相談するほうがよいといえます。
なお、異臭がする原因についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
業務用エアコン洗浄の専門事業者を選ぶポイント
業務用エアコンの洗浄を専門事業者に依頼する際は、以下の内容を確認して比較検討することがポイントです。
▼確認しておくこと
- 見積もりの内訳が明確である
- 賠償責任保険に加入している
- 実績の掲載があり口コミの評価がよい
賠償責任保険とは、業務用エアコンを洗浄する際に部品を破損したり、故障させたりした際に修理費用が補償される保険です。
故障や経年劣化によって業務用エアコンをリニューアルすることになった際には、工事中に発生した物や設備への損害を補償してくれる“建設工事保険”への加入状況も確認しておくと安心です。
まとめ
この記事では、業務用エアコンの洗浄について以下の内容を解説しました。
- 業務用エアコンの清掃手順
- 自身で清掃する際の注意点
- 専門事業者に洗浄を依頼したほうがよいケース
- 専門事業者を選ぶポイント
施設の空気環境を清潔に維持して、本来持っている冷暖房の能力や風量を発揮させるには、定期的に室内機の清掃を行うことが必要です。
ただし、定期的に清掃を行っていたとしても内部の洗浄は難しいため、数年に1度は専門事業者に洗浄を依頼することが望まれます。また、15年以上使用している場合や冷暖房の効きが悪くなっている場合などは、修理またはリニューアルが必要になる可能性もあります。事前に専門事業者へ相談することが望ましいといえます。
TAKEUCHIでは、業務用エアコンの定期的な点検やリニューアル、メンテナンス、故障対応などをトータルサポートしています。丁寧なヒアリングと現地調査により、施設に合った課題の改善策をご提案いたします。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。
また、業務用エアコンの導入・リニューアルに活用できる補助金は、こちらの資料にまとめています。ぜひご活用ください。