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業務用エアコンの使用中に換気が必要な理由。きれいな空気環境を維持するには

冬場・夏場になると、業務用エアコンの冷暖房を稼働させて室温を管理することから、窓を締め切った状態にしているという施設もあるのではないでしょうか。

学校・介護施設・工場・オフィスなどの施設できれいな空気環境を維持するには、業務用エアコンの使用中でもこまめに換気を行い、新鮮な外気を取り込む必要があります。

この記事では、業務用エアコンの使用中に換気が必要な理由や換気の方法、快適な空気環境を維持するポイントについて解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.業務用エアコンの使用中に換気が必要な理由
  2. 2.業務用エアコンの使用中に換気を行う方法
    1. 2.1.窓を開放する
    2. 2.2.全熱交換器を設置する
  3. 3.効率的な換気できれいな空気環境を維持するポイント
    1. 3.1.➀扇風機やサーキュレーターを活用する
    2. 3.2.②窓の開放時には外気温を考慮する
    3. 3.3.③家具やパーテーションの位置を見直す
  4. 4.まとめ


業務用エアコンの使用中に換気が必要な理由

業務用エアコンの使用中には、こまめに換気を行うことが必要です。換気が必要な理由には、以下が挙げられます。


▼換気が必要な理由

  • 健康への悪影響を防ぐため
  • 感染症対策を行うため


冷暖房を運転する際には、窓や扉を締めた状態となり、室内外で空気の出入りが十分に行われなくなります。空気が滞留すると、二酸化炭素や内装建材・家具などから発散される化学物質、ハウスダストなどによって室内環境が悪化して、健康に悪影響をもたらす可能性があります。

また、多くの人が利用する施設において換気の悪い密閉空間となっている場合には、感染症が拡大するリスクが懸念されます。実際に、新型コロナウイルス感染症の集団感染が発生した高齢者施設・学校・保育所などでは、換気が不十分だったことが原因と考えられる事例が多く見られました。

安全かつ快適な室内環境を維持するには、業務用エアコンの使用中であっても換気を実施して、汚染された空気を室外に排出することが重要です。


出典:国土交通省『建築物における効率的な換気の促進に関する取組事例集』/厚生労働省『感染拡大防止のための効果的な換気について



業務用エアコンの使用中に換気を行う方法

業務用エアコンには基本的に換気の機能が備わっていません。部屋の換気を行う方法には、以下の2つが挙げられます。


窓を開放する

部屋に窓がある場合には、窓を開放して換気を行います。

感染症対策の観点においては、1時間当たり2回以上、数分間ほど窓を開放して換気を行うことが推奨されています。窓を開放する際には、2方向で通風を確保すると空気の通り道ができ、効率的に換気を行うことが可能です。


▼窓の数に応じた換気方法

窓の数
換気方法
1つ
窓と部屋の扉を開放する
2つ以上
2方向の壁にある窓を開放する


部屋に窓がない場合には、窓がある近くの部屋で扉を開けて、廊下を介して空気が流れるようにする方法があります。


出典:厚生労働省『感染拡大防止のための効果的な換気について


全熱交換器を設置する

業務用エアコンで冷暖房を運転しながら効率的に換気を行うには、全熱交換器の設置が有効です。

全熱交換器とは、機械換気による吸排気を行う際に、排気する空気の熱を再利用して給気に回収する設備です。換気ファンを用いた一般的な換気では、外気をそのまま室内に送るため、給気と室内温度との差が大きくなり冷暖房の運転に負荷がかかります。


▼換気ファンを用いた換気のイメージ

換気ファンを用いた換気のイメージ

画像引用元:環境省『全熱交換器の導入


全熱交換器を導入すると、熱を回収して給気を行えることから、冷暖房による室内の暖かさ・涼しさを保ちながら換気を実施することが可能です。


▼全熱交換器を使用した換気のイメージ

全熱交換器を使用した換気のイメージ

画像引用元:環境省『全熱交換器の導入


換気時に発生する外気温との差による冷暖房の負荷を抑えることで、省エネルギー化にもつながります。


出典:環境省『全熱交換器の導入



効率的な換気できれいな空気環境を維持するポイント

換気を効率的に実施してきれいな空気環境を維持するには、外気との温度差を考慮するとともに、室内で空気の流れをつくることがポイントです。


➀扇風機やサーキュレーターを活用する

窓を開放して換気を行う際に扇風機やサーキュレーターを活用すると、室内の空気をスムーズに排出しやすくなります。


▼扇風機やサーキュレーターの設置方法

窓の状況
設置方法
1つのみ
送風口を窓のほうに向ける
窓がない
送風口を扉のほうに向ける


また、冷暖房の運転時に扇風機やサーキュレーターで空気を循環させると、冷風・温風が部屋全体に行き渡り、運転効率を高められるメリットもあります。


②窓の開放時には外気温を考慮する

冬場・夏場において冷暖房の使用中に窓を開放すると、外気の取り込みによって室温が下降・上昇しやすくなります。

ヒートショックや熱中症を防ぐには、換気時に室温が低く・高くなりすぎないようにすることが求められます。温度計を設置して室温を確認したうえで、快適性が損なわれない範囲で換気を行うことが重要です。

暖房運転時の設定温度についてはこちらの記事をご確認ください。

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③家具やパーテーションの位置を見直す

施設内に設置している家具やパーテーションの位置を見直すこともポイントの一つです。給気口と排気口の間に天井近くまで高さがある家具やパーテーションを配置していると、空気が滞留するエリアが生まれやすくなります。

効率的に換気を行うには、空気の流れを遮らないように家具やパーテーションの高さ・向きを調整することが重要です。


▼家具やパーテーションを設置するポイント

  • パーテーションは空気の流れと並行になるように設置する
  • パーテーションは3方向を塞がない向きで設置する
  • 高さのある家具やパーテーションを設置するエリアは、サーキュレーターの併用やエアコン風向のスイングによって空気を循環させる



まとめ

この記事では、業務用エアコンの使用中での換気について以下の内容を解説しました。


  • 業務用エアコンの使用中に換気が必要な理由
  • 業務用エアコンの使用中に換気を行う方法
  • 効率的な換気できれいな空気環境を維持するポイント


業務用エアコンの使用中は、窓や扉を締め切った状態になりますが、安全で快適な室内環境を維持するには換気をして空気を入れ替えることが重要です。

窓を開放する方法のほか、全熱交換器を導入すると外気の影響による冷暖房の負荷を抑えながら換気を行えます。また、効率的に換気を行うには、外気との温度差による影響を考慮するとともに、給気口・排気口をつなぐ空気の流れをつくることもポイントです。

TAKEUCHIでは、目に見えない空気の流れを可視化する気流シミュレーションの結果を基に、換気も含めた業務用エアコンの見直しを提案しております。


▼気流シミュレーションの例


換気が不十分な場所や空気の滞留が起きやすいエリアを把握して、高効率な運転ができる空調設備へと最適化を図ります。

詳しくは、こちらをご確認ください。

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