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空調設備の基礎知識。システム構成の仕組みや種類の違いを分かりやすく解説

学校や介護施設、工場、オフィスなどで導入されている業務用の空調設備には、さまざまな種類があります。

動力源や空調の出力・送風方式、温度調節の仕組みなどによって細かく分類されるため、施設の用途と使用環境に合わせて空調設備を選定することが必要です。

これから空調設備の新設またはリニューアルを検討している施設管理者のなかには「空調設備はどのように構成されているのか」「どのような種類があるのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、業務用空調設備の基礎知識について分かりやすく解説します。


目次[非表示]

  1. 1.空調設備とは
  2. 2.空調設備が備える4つの機能
  3. 3.空調設備の基本的なシステム構成
  4. 4.空調設備の種類
    1. 4.1.①熱源機の動力源
    2. 4.2.②熱を運ぶ媒体の出力方式
    3. 4.3.③空調の送風方式
    4. 4.4.④室内の温度調節方法
  5. 5.施設の用途や使用環境に合った空調を選ぶことが重要
  6. 6.まとめ


空調設備とは

空調設備とは、空間における空気の温度・湿度・流量・清浄度などを調節して供給する設備のことです。空調設備の目的によって大きく2つに分類されます。


▼空調設備の分類と目的

分類
目的
保健空調
  • 労働環境の維持
  • 居住空間における快適性の確保
産業空調
  • 物品の品質管理・保持
  • 動植物における生育環境の維持



空調設備が備える4つの機能

空調設備には、主に4つの機能が備わっています。


▼空調設備が備える機能

  • 温度調整
  • 湿度調整
  • 換気による空気の循環
  • 空気洗浄


外気温に応じて室内の冷暖房を行ったり、換気によって気流や湿度をコントロールしたりすることで快適な施設環境を維持できます。

混同されやすい設備に“エアコン(air conditioner:エアーコンディショナー)”がありますが、一般的には換気や空気洗浄の機能は含まれません。また、4つの機能のうち換気による空気の循環のみを行う設備は“換気設備”と呼ばれます。



空調設備の基本的なシステム構成

施設に導入される空調設備のシステムは、主に3つの設備で構成されています。空調方式や動力源などによって、これらの設備機器・循環経路・組み合わせなどが変わります。


▼基本的なシステム構成

空調設備
仕組み
設備
熱源機(室外機)
冷媒を循環して冷温水や冷却・加熱した空気を作り出す
熱交換器、冷却塔、冷凍機、冷温水機、ボイラ、ヒートポンプ など
空調機(室内機)
温度・湿度を調整した空気を室内へ送る
加熱・冷却コイル、加湿・除湿器、エアフィルター、ファン など
熱搬送装置
熱源機器で作り出した冷温水や空気を空調機へ送り循環させる
冷温水管、冷媒配管、外気・給気のダクト、送風機 など



空調設備の種類

業務用の空調設備は多種多様となっており、動力源・出力方式・送風方式・温度調節の方法によってさまざまな種類に分けられます。


①熱源機の動力源

冷暖房を行うための冷熱・温熱を作り出す熱源機に含まれる圧縮機の動力源には、主に3つの種類があります。


▼動力源の種類

動力源
仕組み
電気(EHP)
電気モーターによって駆動する
ガス(GHP)
ガスエンジンによって駆動する
電気+ガス
電気モーターとガスエンジンの両方を駆動源として使い分けながら稼働する


EHPとGHPは、どちらも空気中の熱エネルギーを利用して圧縮機で冷媒を循環させることで冷熱・温熱を作り出す“ヒートポンプ式”の空調システムです。圧縮機の駆動が電気またはガスのどちらによって行われるかという点に違いがあります。また、電気とガスの両方を動力源とする空調設備はハイブリッド空調と呼ばれます。

EHPとGHPのメリット・デメリットや違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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②熱を運ぶ媒体の出力方式

空調設備で室内を温めたり、冷やしたりするための熱を運ぶ媒体の出力方式は、主に4つに分類されます。


▼熱を運ぶ媒体の分類

出力方式
仕組み
全空気方式
外気・還気を組み合わせて加熱・冷却した空気を運ぶ
全水方式
冷水・温水で熱を運ぶ
空気・水併用方式
空気と水を併用して熱を運ぶ
冷媒方式
冷媒配管を使用して加熱・冷却した空気を運ぶ


熱の輸送に空気を用いる全空気方式では、外気を取り入れて室内に送風するために大きなダクトの設置が必要になります。水だけを利用する全水方式の場合、ダクトスペースは不要ですが室内を換気するための設備が必要です。

なお、冷媒とは熱を温度の低いところから高いところへ移動させるために使用する流体の総称です。液体が気化する際に熱を奪う性質を利用して、液化と気化のサイクルを繰り返すことで空気を加熱・冷却します。


③空調の送風方式

空調の送風方式によって施設内の空気環境をコントロールする方法が異なります。送風方式は、個別空調とセントラル空調に分類されます。


送風方式の分類

送風方式
仕組み
個別空調
フロア・エリアごとに温度設定や風量などを制御する
セントラル空調(全館空調)
建物全体の空調管理を一箇所で行う


個別空調では、各フロア・エリアに設置されたコントロールパネルで電源のオン・オフを切り替えられるため、使用環境や利用者の体感温度に合わせて温度・風量などを調節できます。ただし、建物全体での消費電力やコストを管理しにくいほか、利用者によって電源の消し忘れが起きる可能性があります。

一方のセントラル空調は、建物内の中央管理室で空調設備を一元的に制御するため、建物全体で均一的な空調管理を行えることが特徴です。ただし、フロア・エリアごとに電源を切り替えたり、温度設定を変更したりすることはできません。

なお、個別空調とセントラル空調の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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④室内の温度調節方法

空調設備が室内の温度を調節する方法には、対流式と輻射(ふくしゃ)式の2つがあります。


▼温度調節方法による分類

温度調節方法
仕組み
対流式
冷却または加熱された空気を送風して室温を調節する
輻射式
室内に設置した輻射パネルから冷熱・温熱を発生させて室温を調節する


対流式の空調では、冷風・温風を吹出口から直接放出する仕組みのため、立ち上がりが早く短時間で冷暖房を行えます。しかし、暖かい空気は上に滞留しやすい性質があることから、室内の床面付近と上方で温度差が生じやすくなります。

輻射式の空調では、間接的に冷熱・温熱を伝える仕組みのため、冷暖房の風が直接当たることなく、室内での温度のムラも発生しにくくなります。ただし、対流式の空調と比べると冷暖房による室温調整に時間がかかります。



施設の用途や使用環境に合った空調を選ぶことが重要

空調にはさまざまな種類があり、どのような空調を選ぶかによって工事の規模やイニシャルコスト・ランニングコスト、空調管理のしやすさ、省エネ性などが変わります。建物の構造や設置場所などの物理的な要素に加えて、施設の用途・使用環境に合った空調を選ぶことが重要です。


▼【施設別】空調選びのポイント

施設
空調選びのポイント
学校・学習塾
  • 場所や時間帯によってオン・オフを切り替えられる
  • 換気機能が備わっている など
病院・福祉施設
  • 利用者によるきめ細かな温度・湿度調節を行える
  • 換気や空気清浄の機能が備わっている
  • 稼働音や送風音が静か など
工場
  • 製造設備・機器の稼働も含めて消費電力のピークカットができる
  • 製品や原材料の品質管理が必要な場所において、個別の温度・湿度管理を行える
  • 作業環境に応じて温度調整や風量を変えられる など
オフィス
  • フロア・エリアの空調を一元管理してエネルギー消費量を可視化できる
  • 執務室や会議室において冷暖房の送風が直接当たらない など


なお、業務用エアコンの選び方についてはこちらの記事をご確認ください。

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まとめ

この記事では、空調設備について以下の内容を解説しました。


  • 空調の目的
  • 空調設備が備える4つの機能
  • 空調設備の基本的なシステム構成
  • 空調設備の種類
  • 施設に合った空調の選び方


業務用の空調設備には、冷暖房の仕組みや空調管理の方法などによってさまざまな種類があります。「どのような施設環境が求められるか」「冷暖房をどのように使用するか」を考えて、施設の用途や使用環境に応じた空調を選ぶことが重要です。

TAKEUCHIでは、空調設備の改善をトータルサポートしています。学校・介護施設・工場・オフィスなど施設の課題に合わせた空調をプランニングして快適な空気環境を実現します。

詳しくは、こちらの資料をご確認ください。

  資料ダウンロード一覧|30年の信頼と実績 品質で選ばれ続けるTAKEUCHIの空調環境ソリューション TAKEUCHI株式会社に関する詳しい資料は当ページからダウンロードいただけます。空調の新設やリニューアルはTAKEUCHI株式会社にお任せください。 TAKEUCHI株式会社


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